水神竜の憂鬱
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おう」
目上であるゴッドセレナに呼び掛けられても怒りのまま答えた彼女に、呼んだ本人もたじたじ。リュシーはもう一度外を見て、彼の姿が確認できなくなったところで諦めたのか、ゴッドセレナの方へと駆けていった。
シリルside
水神竜の後ろをついていく俺たち。竜の像が乗っているような建物に入ると、そこは海の中なのに普通に中は俺たちが生活できるような水のない空間となっていました。
「うお、すげー」
「ここ、空気がある」
「驚いたな、海の中にこんな場所が」
「何だろう、あの石像」
「人魚じゃないよね〜?」
「半魚人かしら」
何かの神殿なのかと思えるような建物の内装に口々に皆さんがそう言う。ただ、俺とウェンディは気がかりが一つ。
「私・・・いつまでこのままなんでしょう」
「なんでウェンディだけ戻らないのかな?」
いまだにクラゲ状態から元に戻る気配がないウェンディ。そのことを不思議に思っていると、水神竜が指を鳴らすと・・・
ポンッ
クラゲになっていたままのウェンディが元に戻りました。俺の腕の中で。
「ふぎゃっ!?」
「きゃっ!!」
まさか急に戻ると思っていなかったため重さの変化についていけず倒れる俺。それを見た水神竜さんはやらかしたといった顔をしていました。
「すまない、急すぎたね」
「い・・・いえ」
「ありがとうございます」
申し訳なさそうな彼だったが、原因もわからないのにウェンディを元に戻してくれたことに感謝する。彼女は俺の上から退くと、笑顔で彼へと問いかけた。
「水神竜さんは魔法を解除する力を持っているんですね!!」
「いいや、この程度の魔法ならね」
「??」
何か含みのあるような言い方が気になったけど、それを詮索するのは野暮かと思い口を閉ざす。それなのに、彼は俺を見た途端血相を変えて駆け寄ってきた。
「わっ!!なんですか!?」
顔を間近に寄せてくる水神竜さん。キスされるのではないかと言うほど顔を至近距離にされたことで目を逸らそうとしたが、彼は俺の顔をホールドして逃がさないようにしている。
「ハヤアキツ?」
「「「「「??」」」」」
彼の言い放った名前に心当たりがなく、首をかしげる。しかし彼はそんな俺に構うことなく話を続けた。
「君、その魔水晶はどこで?」
「えーっと・・・お父さんからもらった・・・のかな?」
渡してくれたのはカミューニさんだけど、見つけたのは天海でそれに指示したのはヴァッサボーネで・・・なんかよくわかんなくなってきた。
「水神竜様!!なぜそのような者たちを神聖なる神殿へ?」
なんて答えればいいのかわからずにいると、
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