水神竜の憂鬱
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「灰の魔法?」
「仲間を灰に?」
「でも帰るって・・・」
「場所を移動させる魔法の一種みたいね。でも、ドラゴンイーターの魔法となると・・・灰竜?」
先程からちょくちょく出てくるドラゴンイーターという単語の意味がわからず首をかしげる。その辺も聞きたかったのだが、それよりも早く角の生えた男性が口を開いた。
「滅竜魔導士か、私を滅するために来たか?」
「いや、ちょっと違うな」
水神竜と呼ばれた男性は鋭い眼光でこちらを見つめている。それに対しナツさんはすぐに反応した。
「五人の竜を封じてくれっていう依頼でな。お前もその一人っぽいんだけど、お前がいい奴だったらどうしようかなって感じなんだ」
「ずいぶんざっくり話すのね」
「言いたいことはわかるけど〜」
ナツさんが俺たちが考えていることをそれとなくだが話してくれる。ただ、あれで伝わったかは微妙な気がするけど・・・
「なるほど。エレフセリアめ、まだ諦めてなかったのか」
それを聞いた彼はため息をつきながら首を振る。その感じからは敵意があるようには見えなかった。
「エレフセリアを知ってるの?」
「100年も前から次々刺客を送り続けていればね」
今回の俺たちで99人目という話だったし、彼からの手がかりは水神竜についてだけ。そうなると彼は何人もの魔導士と相対してきたことは想像できる。そうなれば依頼主のことを知っているのも当然か。
「それでお前はいい奴なのか?悪い奴なのか?」
「そんなダイレクトに・・・」
ナツさんらしい問いかけにあきれた様子のルーシィさん。しかし今回は彼のその能天気さがよかったのか、水神竜は優しげな表情を浮かべていた。
「さぁ。どちらとも言えんが、少なくとも君たちに対して敵意はないよ。今のところは」
ウソをついているようには見えない水神竜。それを聞いたナツさんは残念そうに頭をかいている。
「まいったなー、100年クエストいきなり失敗じゃねーか」
「待って!!人間に対して敵意がないなら厄災じゃないってことでしょ?これってあたしたちの不戦勝にならないかな?」
「確かに!!倒す理由がねぇんじゃ封じようがねぇ!!」
俺たちの目的はあくまで五神竜を封じること。彼に敵意がないのならと考えていたが、それを否定したのは今回のターゲット。
「いいや、封じるべきだよ。私は封じられねばならない」
どこか寂しげな表情でそんなことを言う水神竜。それを聞いた俺たちは唖然としていた。
「君たちは今までの刺客とは少し違うみたいだね」
そう言うと水神竜は再びこの場所を海のように戻してしまう。それにより支配人は息を吹き返していた。
「ノーウェイ!!」
「カシマ。この者たちは私の客人だ。今
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