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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
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 9月の末に僕がグラウンドの練習を見ていると、朝宮監督が寄ってきて

「やぁ 北番君 すごく活気のあるチームになったろー?」

「そーですね 声が事務所に居ても聞こえてきますよ」

「あのな 中学校の体育の教師なんだが、クラブの1期生でな そいつが、僕に ななののことで相談してきた。学校の体育会の100mでななのが抜群に速かったらしい それで、中学校の秋季大会に100mとリレーに学校代表で出てくれって言ったらしいんだ。だけど、彼女はサッカーしかやりたくないからって、断ってきたそうだ。たぶん、彼女なら上位に入れるらしい それで、僕になんとか説得してくれないかと どう思う?」

「へぇー ななのって そんなに速いんですか?」

「ああー 100m走は知らんけど 確かに、瞬発力は抜群だよ 誰よりも、早くボールに追いつく」

「うーん 嫌だって、言ってたんですかー ななのらしいなぁー 彼女 生活のリズムが崩れるのが嫌なんでしょうね 彼女がやりたくないんなら仕方無いでしょうね 周りが騒いでも・・ 今は、サッカーも楽しくやっているし」

「そーだよなー やるとなると陸上の練習もしなくっちゃーいかんしなー ほっておいて、彼女の好きにするかー」

 その日、僕が帰ると ななのが迎えてくれて

「お帰りなさい お疲れ様でした お風呂にする? ご飯にする? それとも私?」

「ななの! バカ言ってんじゃぁないよ」

「うふふっ 一度 言ってみたかったんだーぁ」

「ななの 走るの速いんだってな 学校の先生から体育大会に選手として誘われてるそうじゃぁないか」

「へぇー そんなことあったかなーぁ でも、そんなん 練習もせんならんし・・スパイクだって用意せんならんやろー」

「ななの スパイクとか お金のこと心配してるんか?」

「そんなんちゃうけど 私が有名になって、オリンピック選手とかになったら・・シュウと一緒に居られへんやろー 離れたくない 私 今の生活乱したく無いネン 幸せだから」

「ななの まぁ オリンピックは無理やろーけど・・」

 僕は、シャンプーの香りのする ななのの頭を胸に抱き寄せていった。今度は、ななのも抵抗なく顔を寄せてきていた。

「シュウ 汗臭いけど、シュウの匂いがする」と、僕の背中に手を廻してきた。

 僕は、しばらくの間、そのままでいたのだ。そして

「シュウ 私 なんでか よだれ出てきてしまったんよ」と、ななのが言ってくるまで・・。 

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