12話 Assassin【暗殺の企て】
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「?????」パクパク
日没後……俺 伊口才はバーガー&ポテトを、澁谷家で持ち込み食いを絶賛実行中。
本来食事持ち込みは御法度。しかしこの澁谷家は家族ぐるみの付き合いゆえに容認されている。
そして隣には目を抑えて悩む少女が1人。
「悩んでんな。」
「!???え?」
「親にも話しずらいなら俺が聞いてやろう。大丈夫。速人たちにも言わねーよ。」
「才さん……!」
これでも????かのんとの年差は伊達ではない。いいアドバイスはできるに決まっている。
それに……俺のような人間だからこそ話せることもある。
「実は???また歌が歌えなくなっちゃったんです。それでこのままだと次のフェスでもいい結果は期待できない。」
「そうかもな。」
「あの可可ちゃんは……上海から夢を追いかけて日本にやってきて…こんな私の歌を見てスクールアイドルに誘ってくれたんです。」
彼女の目線が徐々に下へと落ち、その声もくぐもった、今にも切れそうなモノへと変わっていく。
「それなのに…私を選んだせいで???私のせいで夢を諦めなきゃいけないなんて…!申し訳なさすぎるです!!」
「……」
「足手纏いになるって分かってるのにステージに上がるなんてできないよ!!!」
本当の涙は自然と溢れる。その言葉はほぼ間違いないだろう。彼女は人目という悪魔に苛まれている。
人目は本当に怖い。なぜなら良くも悪くも本人の意思を無視した評価が下されるから。
ただここで自分がそれに晒されるには何の問題もない。しかし2人となれば話は違う。いかにも共感覚の鋭い彼女らしい悩み……か。
スマホを胸ポケットから取り出し、録音を【停止】する。そしてその録音を一瞬にして【ある場所】へと放り出す。
そしてかのんにポテトフライを差し指がわりにする。
「お前の言うそれは…あくまでお前の罪悪感だろ?」
「え?」
「可可はそんなことで……いや、むしろお前と一緒じゃなきゃステージには立たない。一回会っただけでもそれはわかる。」
「それはそうですけど???でも」
「それを可可から直に聞くのが一番だ。アイツの目的はもうお前たちとアイドルをやる…….そうなっているはずだ。」
「????!」
勢いよく立つかのん。
「才さん。私……行ってきます!」
「おう。」
そう言って彼女は勢いよくカフェの玄関を閉めて行った。
俺はネクタイを締め直し、ポケットにしまっていたタバコ???正確にはタバコの形をした味のついた薬草だが。これを「味タバコ」と俺は呼んでいる。
伊口ファウンデーションが作り出したこれは未成年でも吸えて…….というのは余談である。
俺がタバコを咥えていると……
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