12話 Assassin【暗殺の企て】
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フォーマンスへの加虐。歌が歌えないという訳のわからない自分へのせめてもの処罰である。
それを聞いた魁は少し落胆するようにため息をついた。
「お前ら……本当にスクールアイドルをやりたいのか?」
「「「「え?」」」」
「本気でスクールアイドル活動がしたいなら、別に誰かに認めてもらう必要はない???そう言ったんだ。」
暴論。
そう呼ぶに相応しい、無茶苦茶な主張というのは魁を除く全ての人間が思ったことだろう。しかしそれを彼は何の淀みもなく、平然と答えた。
そんな暴論はかのんの機嫌を損ねた。顔をしかめさせて、魁にくってかかる。
「そんなの……いくら何でも暴論すぎませんか!?」
「暴論??確かにそうだな。」
「……!」
まさか自らの反論を肯定されるとは思っていなかったかのんは拍子抜けする。しかし魁はこう続ける。
「だが、暴論だから何だっていうんだ?そもそも常識やルール、法律なんてのは綺麗事。屁理屈に過ぎん。それを人間は美化し過ぎている???もし本当にやりたいことがあるのなら、お前たちを邪魔するルールなんて破っちまえ!そんなルールを押し付ける奴らと必死に戦え!!」
「「「はぁ……?」」」
首を傾げる一同に少し苛立った魁。そこで彼は寝転がっている那由多へと視線を向けた。
「ったく、そういう意味ではお前たちはこのオオカミ男の方がよっぽど優秀に見えるぜ。」
「那由多が?」
「あぁ。こいつは頭は非常に良くないが、信念のためならどんなことも厭わないからな。ただその信念が今少し揺らいでしまっただけ???ハナから、『ルールで決まっているから』と諦めるお前たちとは訳が違う。」
少し軽蔑を含んだような視線……普通の人間なら怒りを覚えるのだろう。しかしそれはできない。
なぜなら……魁という未知数の人物が放つ、圧倒的な威圧感があるから。ただ、かのんたち仮面ライダーでない人間には、異様なほどのカリスマ性と捉えてしまうだろう。
だが速人と那由多はそうではない。彼の持つ圧倒的な実力。まるで人間と微生物ほどの差に思えるその力に裏付けられた、軽蔑。
「ま、そういうことだ。せいぜい悔いの残らぬように努めるようにな。」
「「「「……」」」」」
「あ、それと……天羽速人、そして中川那由多。」
「「!!!」」
赤黒いマントが靡く。
「当然だがフェスで何が起こるかわからない。怪人が出てくるかも知れんし、別の敵が現れるかも知れない。鍛錬を怠るなよ。」
「言われなくても……やってやる……!」
「その顔で言われても説得力ねーな。」
速人は那由多にいつも通り見下すような視線を送った。
?????※?????
「………」
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