衝撃の内容
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俺たちを見下ろすドラゴン。それは確実に動いており生きている本物のドラゴンであることは間違いない。
「お前が100年クエストの依頼主か」
「ホラ、ナツ・・・もっと丁寧な口調で話そうよ。怖いし」
最初に正気を取り戻したのはナツさん。彼は怯むことなくドラゴンへと話しかけるが、そんな彼にルーシィさんはしがみついており震えているのがわかる。
「いかにも」
そんな彼の態度にドラゴンは淡々と答える。少しずつ最初の衝撃から落ち着きを取り戻した俺たちはそのドラゴンを見上げている。
「一つ確認しておきたい。ここは魔導士ギルドのはずだが・・・お前は何者なんだ?」
「・・・」
エルザさんの問いに答えないドラゴン。その彼の不思議な匂いに気が付いた俺はウェンディに目配せすると、彼女も気付いていたようでこちらを見ており視線がある。
「魔導士ギルドに魔導士がいねーんじゃそりゃ気にもなるわな」
「他の魔導士はいないの?」
「ここには我しかおらぬ。人間は皆老いて死んだ」
そう言ったドラゴンの表情はどこか寂しげなように感じた。しかしそうなるとまた新しい疑問が出てくる。
「老いて・・・新しい人を入れなかったんですか?」
「子供たちとか若い人とか・・・」
「変なギルドね」
「何か決まりごととか〜?」
普通ギルドにはどんどん新しい人が入ってきて世代交代がされていく。妖精の尻尾なんかまさにその通りで100年以上も続いている歴史あるギルドなのだ。
「そういう時代だった。新しいギルドが次々に生まれ、若者は新しいギルドに集まる。やがて最古のギルドからは人の姿は消えた」
先駆けになったギルドを真似して次々に魔導士ギルドができたことにより生存競争から破れてしまったのか。それでも世界最古の魔導士ギルドともなればその話題性で人が集まりそうな気もするけど。
「それとドラゴンが住み着いているのとは話が違うようだが・・・」
エルザさんはいまだに彼がここにいる理由が気になっているようだけど、俺たちは前から気になっていることがあった。
「いえ・・・この匂い・・・」
「はい・・・私も気になってました」
「お前人間だな?」
俺とウェンディが抱いていた違和感。それはナツさんも気が付いていたようでした。彼のその言葉を聞いた途端エルザさんたちは驚愕の表情を見せました。
「ふふ」
ドラゴンは彼の言葉を聞くと待ってましたと言わんばかりに笑みを浮かべると身体から煙を出し小さくなっていく。その姿は真っ白な髭を伸ばした杖を持った老人へと変化していく。
「よくぞ見抜いた。我こそが魔導士ギルド創始者にして魔陣の竜初代マスターエレフセリア」
最初にあった時に人間のような匂い
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