暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−3:御前に捧げる奇術
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近くに居たのか奏が声を掛けてきた。見ると彼女の目元には彼を心配してか、涙を流したような痕がある。どうやらかなり心配させてしまったらしい。
「おう、おはよう奏。体は大丈夫か?」
「そりゃこっちのセリフだ馬鹿ッ!? 目を覚ました時、お前がメチャメチャ無茶したって聞いて心配したんだぞッ!!」
「悪い悪い。他に方法考え付かなくってさ」
正直、自分でもかなり危ない橋を渡ったとは思う。もしかしたら今度は彼自身が呪いの力の源となっていた可能性も否定できないのだ。外部と通信して情報交換できなかった状況だったとは言え、今回の事は流石に無謀が過ぎた。
奏も心底心配させてしまった。颯人は己の短慮を少しだが反省した。
「悪かったな、心配かけて」
「ホントだよ。体は何ともないのか?」
「ん〜、そうだな。腹が減ってる以外は何とも……」
「ならば一発喰らっても大丈夫だな」
奏ではない声が突如耳に入ったかと思えば、次の瞬間颯人は脳天から迸る痛みを感じ声にならない悲鳴を上げた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?!? な、何っ!?」
何事かと奏と反対方向を見れば、そこには指輪を外して拳を握り締めたウィズと腕を組んだアルドの姿があった。ウィズは仮面で、アルドはフードでそれぞれ表情が隠れているが、放たれる怒気は隠し切れていなかった。
本気で怒ったらしき2人を前に、颯人は文句も軽口も言う気になれずただ頬を引き攣らせていた。
「えっと、あの…………誤れば許して……くれ、ないよな?」
「ま、今回は諦めろ」
奏がそう言って颯人の肩をポンと叩いた。それはこの場では死刑宣告にも等しい言葉で、それから数十分颯人はウィズとアルド、2人からの説教を喰らう羽目になった。
そして今回の無謀すぎる行動への説教が終わった頃には、颯人は魂が抜けた様になってしまっていた。そんな彼の背を奏が優しく撫でる。
因みにウィズとアルドは、やる事をやったからか早々に姿を消していた。
「お疲れさん。無茶した事はあれだけど、ま、助かったよ」
「お、おぅ…………あ! そう言えばあの後結局どうなった?」
一番大事な事を聞くのを忘れていた。颯人がこうしてここに居ると言う事は、あの後スフィンクスが出るような事は無く事態は終息したと見るべきなのだろうが念の為だ。
「あぁ、颯人の中に光の珠が入ってから少ししてアタシ達の目が覚めてね。で、透に何があったのかを聞いて引き上げてきたって訳だ」
「もう靄は出なくなったのか?」
「そうだよ。靄が消えて、皆目を覚まして戻って来たんだ。あの後一度別のスタッフが確認しに行ったけど、もうあの風船の化け物も居なくなって全部終わってたって」
どうやら颯人の作戦は成功したらしい。ツタンカーメンの思念はたっぷり楽し
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