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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−3:御前に捧げる奇術
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が力の源であるのなら、あれが仮面に入る前に消してしまえばいい。そう思って颯人が再びドラゴンのブレスを光に向けて放つが、あの光には実体と呼べるものが無いからか放たれる炎を物ともせず仮面に入りスフィンクス擬きを生み出してしまった。
光への直接攻撃は失敗だ。となれば別の方法であの光を何とかしなければならない。
どうすべきかと颯人が悩んだ時、彼はある疑問を抱いた。
――あの光、仮面にしか入れないのか?――
先程からあの光は真っ直ぐ仮面に向かって行く。まぁ術式でそうなるように仕込まれているのだろうが、あの光に対して他の物が干渉するとどうなるのだろう? もっと言ってしまえば、人間があの光に触れると?
普通の人間であればそれは非常に危険な賭けだろう。だが颯人達魔法使いは普通の人間ではない。彼らの中には人間としての精神だけではなく、その内に宿るファントムも存在している。人間一人では対処不可能でも、ファントムと力を合わせればどうだろう?
「……やるだけやってみるか」
「?」
「透、俺はこれからちょいと賭けに出る。もしもって時は悪いが尻拭い頼むぜ」
そう言うと颯人は迫るスフィンクス擬きを再びドラゴンのブレスで焼き払った。燃え盛る炎により形が崩れ、スフィンクス擬きの中から根源となる光が珠となって飛び出した。
「今だ!」
その瞬間、颯人は光の珠の進行ルート上に立ち塞がった。透が止める間もなく光の前に颯人が立つと、光は彼を避ける事無く颯人の体の中に入ってしまった。
そして光が彼の体の中に入った瞬間、彼の意識は急速に薄れ視界は闇に閉ざされた。
***
「…………ん?」
気付くと颯人は暗闇の中に居た。辺りを見渡しても見える物は漆黒の闇のみ。だが上下左右はハッキリしており、中空に浮かんでいると言う感じではなかった。
何より、颯人はこの空間に見覚えがあった。そう、以前初めてフレイムドラゴンとなる際にドラゴンの力を引き出そうとした時ここに来た事がある。その時の事を覚えていたから、この場所にピンときてパニックになる様な事は無かった。
【ギャオォォォォォォッ!!】
「ん?」
颯人がこの場所の事について考えていると、突如聞き覚えのある咆哮が耳に入って来た。そちらを見ると、彼の身に宿るファントムであるドラゴンが先程颯人の中に入ってきた光の珠を追い掛け回しているのが見えた。
大方、自分のテリトリーに無断で入って来た不届き者を排除しようとしているのだろう。と言う事は、あのまま放っておけばドラゴンが全てを解決してくれる。
一瞬そう思った颯人だが、彼はそうはせずドラゴンと光の珠の間に入ると光の珠を守る様にしてドラゴンを手で制した。
「ストップストップ!
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