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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
成り行きであたしは、感動の再会の手伝いをする
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いるね。果たして五体満足でいられるだろうか?」
「やだ…やだ…やめてくれ!!反省してるから!!」
英霊、バーソロミュー・ロバーツは規律を重んじ、紳士的な人物であったらしいがやはり根は海賊だ。
無論、そんな野蛮極まりない海の猛者に喧嘩を売ればどうなるかは明らかだ。
奴らは北斎に目がくらみ、彼女が乗る船が誰のものなのか危険視していなかった。
この後谷岡という男はどうなったかはあたしは知らない。
まぁわかる事としては、どの道ラクには死ねていないということくらいだ。
?
「ついたナ。」
「ここが、姫路町…。」
そうして、無事に姫路町へと到着。
世界崩壊後、ラブホテルを中心にして出来上がった街であり、数ヶ月前までここはホテル以外何も無い荒地だったとは到底信じられない栄えっぷりだった。
「蜘蛛の糸…だっけ?」
「はい、そこにマキさんはいると仰っておりました。」
行ってみたいところはたくさんある。だがまずは先に『マキさん』の所だ。
情報通の彼女なら知っているかもしれない。
そんな藁にもすがる思いで北斎さんはやってきた。
マイに関する手がかりは何にもない、なんてことはないと願いたい。
北斎さんはここに来るまで相当の苦労をしてきたからだ。
「ようやく尻尾が掴めるかもしれねぇんだ…!」
だから、報われて欲しい。
しかし、この後彼女はお釣りが来るほど報われることになる。
「閉まってるナ。」
まぁ案の定というか当たり前というか、『蜘蛛の糸』というBARはさすがにお昼時は閉めていた。
しかし、
「邪魔するヨ。」
「えっ、あっ、北斎さん!?」
扉にかかっている『close』の札を無視し、開ける。
カランカランという心地よいベルの音、直後に「え、なんだねキミ。まだ準備中なのだが…あ!こら!!待ちたまえ!!待ちなさい!!」という当たり前の言葉が聞こえてきた。
「ちょ、ちょっと止めよう。」
いくら探し人がいるとしてもいくらなんでも非常識だ。
そう思いあたしと香子も続けて中へと入る。
すると、
「……。」
「……。」
その場に立ちつくす北斎、
そして彼女の前にいるのは、このBARに不似合いな着物を肩を出して着こなす美人。
間違いない。探偵さんの言った特徴と一致する。
この人がマキさんだ。
で、そのマキさんもまた、北斎を見つめたまま立ち尽くしている。
手に持っていた大きめのカバンをどさりと落とし、彼女はわなわなと震える唇で小さく、しかし確かにこう言った。
「お栄ちゃん……?」
と、北斎の名を、いや、葛飾北斎というサーヴァントの本体、葛飾応為の名前を呼んだのだ。
そして、
「マイ…?」
マキさんを見て、
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