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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
成り行きであたしは、感動の再会の手伝いをする
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存在は認知できる。
しかし北斎にはそれが無かった。
だから、マスターの居場所が分からない。こうして財団に追われながら手当たり次第に探すしか無かった。

「多分こっち≠ノ来る際にりせっと?したんだっけか。すぐ再契約しろってあびいにも言われたしヨ。」
「こっち=c?」
「ああいや、個人的な話サ。お前さん方には関係ねぇ。」

ともかく不思議な話ではある。
そこであたしは、またも興味が湧いた。

北斎はそれから自身のマスターであるマイ≠フ特徴を述べていく。
背は高い。美人。片目を前髪で隠しており、絵は自分と同じくらい上手。
喧嘩はあまり強くないから、どこかで危険な目に合ってなければいいがと北斎は心配そうな面持ちだ。

すると、ここで思わぬ情報がもたらされる。

「それって…マキさんじゃね?」

北斎が上げたその特徴。
それは探偵さんの行きつけのBARにいる看板娘に当てはまるのだという。

「…その"マキ"ってのは、誰なんだい?」
「BARにいるんですけどいつも着物を着てて、花魁っぽく着崩してるちょっと変わった人なんですよ。」
「花魁…?」


花魁。
そのワードを聞いた瞬間、北斎の眉がぴくりと動いた


「一応その人、情報屋やってるんでもしかしたらそのマイって人のこと知ってるかもしんないっすね。」

情報屋。
なら何かしらマイ≠ノ関する情報は持っているかもしれない。
そうなると北斎は早かった

「そうかい。なんだかその"マキ"ってやつに興味が湧いた。会ってみたい。」

そうやって席を立ち、どこへ行けばいいか尋ねる。
尋ねられた少し待ってくださいと言い、探偵さんは紙に何かを書き、それを手渡した。

「こいつを港にいる、いけすかねぇ雰囲気の海賊に渡してください。そうればマキさんのいる町まで行ってくれると思います。」

手紙を受け取る北斎。
そうして礼を言って彼女は去ろうとする。

「紫式部。」
「はい?」
「あたし達も行こうよ。」
「えっ、」

当然、あたし達もついて行くことにした。
興味が湧いたのもあるけど、何よりあの北斎は財団に追われていた。
ワケは知らないけど、あそこまで執拗に追われているのなら1度きりでは諦めないはず。
というわけで心配にもなり同行することにした。

「アンタと式部殿も探してくれんのかい?いやあ、感謝してもしきれねぇくらいサ!」

助けてもらいさらには同行もしてくれる。
そう言って北斎はニッと笑ってあたしに握手し、香子にも握手をして感謝の意を示した。
そして、思い詰めた表情になり、

「早くマイを見つけたいんだ。きっとアイツ…寂しくて泣いてるに違いねぇ…!」

マスターの事がどれだけ心配なのか胸の内を語る。

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