第八十三部第四章 戦線崩壊その十九
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「今がそうだ」
「待つべきですね」
「あえて動かず」
「そうすべきですね」
「そうだ、通常艦艇で動こうとする艦があれば撃て」
容赦なく、そうした言葉だった。
「事前に警告をしてな」
「そして乗員もですね
「勝手な行動は許さない」
「迂闊な攻撃は」
「それは、ですね」
「断じてな、動かさずだ」
そしてというのだ。
「時を待つことだ、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「その時は近い」
動きそして攻撃する時はというのだ。
「まさにな、だからな」
「今少しだけですか」
「少しだけ待てばいいですか」
「それだけですか」
「そうだ、その少しも待てない様な軍を私は持っていない」
笑っていない、だが。
それでもだ、アッディーンは確かな声で述べた。そうしてそのうえで彼は全軍に対して強い声で告げた。
「精鋭は待つことも出来るな」
「はい、それでは」
「今は」
「待つことだ」
こう言ってだ、アッディーンは戦局を見ていた。戦局は文字通り刻一刻と進んでいた。それが止まることはなかった。
そしてだった、十分程して。
アッディーンは戦局を見て言った。
「通常艦艇もだ」
「はい、これよりですね」
「移動を開始して」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「攻撃開始だ」
まさにというのだ。
「敵の防衛施設と基地、そして敵艦隊に対してな」
「わかりました」
「ではこれよりです」
「全軍で向かいましょう」
「これより」
「そしてだ」
ここでだ、また言うのだった。
「敵軍を破る」
「遂にこの時が来ましたね」
「いよいよですね」
「通常艦艇を動かして」
「総攻撃に移りますね」
「そうしますね」
軍司令達がモニターに出て来た、そうしてアッディーンに口々に言ってきた。そうして言うのだった。
「ではですね」
「ここで全軍攻撃に移りますね」
「そうしてそのうえで」
「前進しつつ攻撃を仕掛けますね」
「その様にしますね」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「この戦争の趨勢も掴むぞ」
「そうですね、ではです」
「ここは一兵も油断なく動かし」
「そうしてですね」
「戦いに勝ちますね」
「そうしますね」
「そうする、だが」
ここでだ、アッディーンはまた言った。
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