第六百九十三話 オーストラリア人の夢その十二
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「独裁者がいるのよ」
「そうした国だね」
「やたら連合がまとまりがないって馬鹿にするけれど」
「衆愚とか言ってね」
「少なくとも独裁者はいないわよ」
「それは間違いないね」
「やりたい放題の暴君はね」
こう言うのだった。
「一人もいないわよ」
「暴君とか独裁者はいらないわ」
こう言ったのはクララだった。
「連合には」
「そうだね」
「民主主義の国だから」
それ故にというのだ。
「独裁者はいらないし」
「暴君もだね」
「どっちもいらないわ、ただね」
「ただ?」
「ギルフォード総統って領地じゃ暴君で」
「そして独裁者でもあるんだよ」
「最悪の悪人ね」
クララは彼をこれ以上はないまでに嫌悪した顔で述べた。
「本当に」
「僕もそう思うよ」
「お兄ちゃんも」
「心からね」
まさにというのだ。
「思うよ」
「そうよね」
「だってね」
実際にというのだ。
「やってること聞いたらね」
「そうとしか思えないわよね」
「やりたい放題の極みだからね」
それ故にというのだ。
「もうね」
「暴君で独裁者ね」
「そうとしかね」
まさにというのだ。
「思えないよ」
「早く倒れて欲しいわね」
「連合にも悪意剥き出しで」
ただ単に敵として観ているだけだが連合ではそう思われている。
「常にだよ」
「陰謀を企んでいるのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「連合を陥れようと」
「悪い奴ね」
「エウロパは悪い奴しかいないけれど」
連合ではそう考えられている、階級に関係なく。
「総統になると」
「国家元首だし」
「ダントツでね」
そう言っていいまでにというのだ。
「悪人だよ」
「極悪非道?」
「もうね」
そう言っていいまでにというのだ。
「そんな人だよ」
「そうよね、やっぱり」
「それでその総統の歴代の中でも」
「特に悪いのね」
「ブラウベルグ以来だよ」
連合では人類史上最悪の悪人の一人とされている、そしてあることないことではなくないことをふだんに言われている。
「あの人は」
「うわ、凄いわね」
「そんな極悪人がいて」
エウロパにはというのだ。
「悪企みばかりしているんだ」
「そのことは覚えていないといけないわね」
「絶対にね、ただね」
「ただ?」
「食べているものはまずいらしいよ」
「ああ、あの人イギリス人だし」
「イギリス人というのかじゃなくて」
ベンは妹や弟達全員に話した、その食事がどういったものか。
オーストラリア人の夢 完
2022・11・24
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