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八条学園騒動記
第六百九十三話 オーストラリア人の夢その八

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「餓えていて」
「独裁者だけはなのね」
「何でも身長一六七で」
 これ位の身長でというのだ。
「体重百三十キロだったそうだよ」
「ええと、今で言うと」
 その身長体重を聞いてだ、クララは言った。頭の中でざっと計算してこの時代の連合に当てはめて話した。
「身長百九十だと百六十キロ?」
「筋肉じゃなくて脂肪でね」
 その体重の元はというのだ。
「それだけだと」
「肥満もね」
「かなりだよね」
「ええ、危ないわよ」 
 そこまで太っていると、というのだ。
「脂肪でだと」
「この時代の連合だと」
 ベンも言った。
「そんな肥満の人はそれこそ」
「滅多にないわね」
「それも自分だけがだよ」
「そこまで太っていたのね」
「そうだったんだ」
「酷いことね」
「それで国民の半分位がだよ」
 それだけの割合がというのだ。
「餓えていて」
「死にそうだったの」
「そうだったんだ、予算はね」
 国家のそれはというと。
「軍隊と将軍様の贅沢だよ」
「使っていたの」
「国家予算の四分の一が軍事費で」
 そちらに回されていてというのだ。
「五分の一が将軍様の贅沢費だったんだ」
「合わせて国家予算の四割五分ね」
 クララはまた頭の中で計算して答えた。
「それだけをなの」
「そう、国家予算に使っていて」
「内政にはなのね」
「殆どね」
「使っていなかったの」
「しかもミサイルとか開発していたから」
 そして製造、発射を繰り返していた。
「国家はね」
「どんどん貧しくなっていたの」
「そうだったんだ」
「そんな状況の国がよく続いたね」
 トブも聞いてびっくりだった。
「僕も北朝鮮のことは聞いていたけれど」
「百年に続く位続いたとか?」
「普通そんな国はね」
 そこまで出鱈目な政治を行う国はというのだ。
「すぐにだよ」
「潰れるね」
「そうなる筈だけれど」
「それがなんだ」
「そこまで続いたんだね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「国民の人達はね」
「その間ずっと苦しんでいたんだ」
「碌に食べものもなくて」
 そしてというのだ。
「他のものもね」
「なかったんだ」
「もう何もない様な」
「二十一世紀とは思えない位な?」
「そう、そこまでのね」
 実際にというのだ。
「酷い生活をね」
「していたんだ」
「それで百年に届く位だよ」
 そこまでというのだ。
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