第七十二話 海軍の記憶その二
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「ちょっとね」
「今日は私達と一緒にいるって」
「ええ、そう言うわ」
言いつつラインで連絡してわかったと了承を得た、こうして理虹もだった。
「ここにいる間はね」
「一緒ね」
「ええ、一緒にいましょう」
「それで中回ろう」
「そうしよう」
「あれっ、どうしたのよ」
今度は留奈が来て声をかけた。
「皆で」
「そういう留奈ちゃんはどうしたの?」
「いや、卓球部は今日ここでは自由行動ってなって」
留奈はかな恵に答えた。
「それでね」
「今一人なの」
「そうなのよ」
「じゃあ私達と一緒に回らない?」
かな恵は留奈に誘いをかけた。
「そうしない?」
「五人でなの」
「どうかしら」
「そうね、自由行動だけれど」
それでもとだ、留奈は話した。
「誰かと一緒にいてもね」
「問題ないわよね」
「だったらね」
それならというのだ。
「一緒にね」
「回ろうね」
「それじゃあね」
こうしてだった。
かな恵達は五人で回ることになった、それでだった。
資料を色々観ていくがここでだった。
森鴎外の筆を見てだ、一華は言った。
「この人って実は人間としては」
「最低なのよね」
留奈が応えた。
「これが」
「そうなのよね」
「舞姫だってね」
彼の初期の代表作である。
「実はね」
「本人さんにそうしたお話あったらしいし」
「どうもね」
これがというのだ。
「恋人さんがいて」
「ドイツに」
「子供さんいたかどうかはわからないけれど」
それでもというのだ。
「別れてね」
「それでよね」
「恋人さん日本まで来たらしいわよ」
「そうみたいね」
一華はどうかという顔で応えた。
「どうも」
「まあこれは立場でね」
「森鴎外のね」
「留学生でね」
「やがて日本戻って日本の医学界の為に働く」
「そうしないといけなかったからね」
留奈も話した。
「日本の然るべき人ともね」
「結婚しないといけなくて」
「そうした立場だったから」
「ドイツの人とはね」
どうしてもというのだ。
「結婚はね」
「難しかったわね」
「今は普通に出来ても」
現代ではというのだ。
「留学生とね」
「留学先の国の人が恋に落ちて」
「それで結婚もね」
「出来るけれど」
「それは今だからよね」
富美子も眉を顰めさせて言った、腕を組みそのうえで声の調子も難しいものにさせてそして言うのだった。
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