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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
パラディ島編 第24話 ウォール・ローゼ攻防戦B 〜思いと裏切り〜
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を握り、思いっきり空を殴る。
 すると、ミカサを狙っていたはずの巨人が目の前の仇の巨人へと突っ込んでいった。

「…は…?」

 エレンはその光景に少々呆然とするもすぐに思考を切り替え、怪我でまともに動く事ができないミカサを背負い走る。
 そんな中、背中のミカサが呆然として声を発した。

「何で…あいつが…食べられてるの?」

 その問いに答えられるものはいない。
 なにより、今はそんな状況ではないのだから。

「馬はどこだ…!?」

 そうエレンが言ったとき、丁度のタイミングで逃げ出していたはずのミカサの馬が緑がかった白い毛の馬に連れられてやって来た。
 その馬にはどことなく既視感がある。

「ミカサ!早く乗れ!」

「うん…!」

 そんなことを気にしても仕方が無いと思い先にミカサを馬に乗せる。
 それを確認した後エレンも馬に乗ろうとすると、

ドォドォドォドォ

 巨人を振りほどいた鎧の巨人がエレンたちに向かって走ってくるのが見えた。
 それを見てエレンは叫ぶ。

「来るんじゃねぇ!テメェら!ぶっ殺してやるッ!」

 その言葉に反応したのか、仇の巨人を喰らっていた巨人達は我先にとばかりに鎧の巨人の元へと走り出していった。
 それを尻目に、エレンは馬に跨りその場を後にする。

「この機を逃すな!撤退せよ!」

 エルヴィン団長のその声がした方向を見れば、生き残った調査兵団がある程度の列を組んで撤退しようとする所が見える。
 エレンもそれに続いて馬を走らせたとき、

「おい、エレン!ミカサ!」

「ッ!ハンネスさん!」

「無事でよかった…」

 自分達を守ろうと1人で懸命に戦ってくれた親のような存在が馬を走らせながらよって来た。

「お前たちも無事でよかった。
 …だがそれは兎も角だ。
 一難去ってまた一難。今度はハチマンが目を覚まさなくなっちまった…」

「「!」」

「すまねぇ…多分だが、俺があの巨人に捕まれそうになった時、ハチマンが無理して救援に駆けつけちまったから身体に無理が祟ったんだろう。
 不甲斐ねぇよ…」

「…気にすんなよ、ハンネスさん。
 ハンネスさんがいなかったらシガンシナ区で俺たちは死んでただろうし、何よりここで死んでた。それはハチマンだって一緒だろうからな」

 エレンはハンネスの背中にもたれ掛かりながら気絶しているハチマンを見つめながら言う。

「…ああ、そうか…だが…これで、あの日々も取り戻せるような気がしてきたぜ」

「?あの日々?」

「…ああ、気にすんな。ただのオッサンの独り言だからな」

「お、おう…」

 そんななんでもない会話を続けながら、エレン達は壁へと走っていく。

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