第五幕その三
[8]前話 [2]次話
「わしは酔い潰れるわ」
「そうですな、しかしそれでようございます」
平手さんは信長さんに笑ってお話しました。
「大酒は毒になりますからな」
「外の世界ではよお言われておったのう」
「殿が飲まれぬならです」
「それに越したことはないな」
「オズの国においても」
「そうであるな、だからな」
それでというのです。
「わしはこれからも酒はな」
「飲まれませぬな」
「他のことを楽しむぞ」
「さすれば」
「そして今日はな」
信長さんはこうも言いました。
「天主の最上階に上がってじゃ」
「そこからだね」
「景色を眺めるんだね」
「左様、昼はそうしてな」
かかしと樵に答えます。
「夜はライトアップじゃ」
「天主閣をだね」
「そうするんだね」
「いや、天主だけでなくな」
それだけでなくというのです。
「城全体をそうして気球でも使って少し離れたところからじゃ」
「観るんだね」
「今夜はそうするんだ」
「そうしようぞ」
「実はです」
ここで今度は前田さんが言ってきました。
「殿は外の世界でもそうしておられます」
「というと?」
「安土城の天主を提灯で飾って」
ガンプに答えます。
「そして夜に照らしたのです」
「安土桃山時代のライトアップだね」
「それをされました」
「あれは大成功であったのう」
信長さんはまた笑って言いました。
「それで今宵もじゃ」
「ライトアップをするんだ」
「今は電灯を使ってな」
そうしてというのです。
「その様にするぞ」
「信長さんって昔にそうしたことを思いついてなんだ」
「していたぞ」
「それも凄いね」
「そうであるか、では今日は映画も観るか」
信長さんはこちらもと言いました。
「わしを扱ったな」
「あの、殿」
ここで長方形の逞しい感じの人が言ってきました。
「我等の武芸もです」
「見せたいか」
「槍や馬の」
「ふむ、よいのう」
信長さんはその人の言葉に頷きました。
「では内蔵助、お主とじゃ」
「はい」
「鎮吉、お主もじゃ」
今度は細面で長身の人に言いました。
「剣舞をやってみよ」
「はい、それでは」
「その様に」
「この人達は誰かな」
ジャックは名前を呼ばれたお二人を見て言いました。
「一体」
「それがしの名は佐々内蔵助、諱を成政という」
「拙者は川尻秀隆、諱を鎮吉という」
お二人はそれぞれジャックに答えました。
「共に今も殿にお仕えしておる」
「宜しくな」
「九郎、お主は馬じゃな」
信長さんは穏やかな顔の人にも言いました」
「よいな」
「それではこの原田九郎直政必ずや」
「他の者もそれぞれな」
こう言うのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ