第十一話 地夢その八
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「昴流ちゃんは新しい道を踏み出せるよ」
「そうなりますか」
「うん、あと牙暁ちゃんは世界の結末はいいことにならないと思ってるよね」
「僕は見ましたので」
目を閉じやや俯いて悲しい表情になって答えた。
「ですから」
「そうだよね、けれどね」
「貴方はですか」
「だって決まってることなんて何もないんだよ」
にこりと笑って話した。
「だからね」
「それで、ですか」
「絶望の未来になるかはこれから次第だよ」
「人の努力次第で、ですか」
「そう、行い次第でね」
それでというのだ。
「変わるんだよ」
「だからですか」
「私きっといい未来になると思うわ」
「人間の未来は」
「地球のね」
どちらもというのだ。
「いいものになるわ」
「そうでしょうか」
「だって人間そんなに悪くないから」
「人間は悪でもない」
「大なり小なり悪でもね」
そうであってもというのだ。
「やっぱり大なり小なりね」
「善でもある」
「そうした存在で地球も気遣っているから」
「だからですか」
「大丈夫よ、それに地球もね」
地の龍が護ろうとしている方もというのだ。
「悲鳴上げてるよね」
「残念ながら」
「けれど地球は凄いから」
「凄いですか」
「表面、卵の殻だけがね」
そう言っていい部分だけがというのだ。
「傷付いているだけで」
「中まではですか」
「全くね」
それこそというのだ。
「傷付いていないから」
「殻だけがそうなっていますか」
「そうよ、地球って凄いのよ」
北斗は牙暁に微笑んで話した、両手を自分の腰の後ろで指と指を絡め合わせて組んで顔を突き出して言った。
「人間が思っているよりずっとね」
「遥かにですか」
「そうなのよ、もう人間なんてね」
「ほんのちっぽけな」
「そうした存在でしかないんだよ」
地球から見ればというのだ。
「恐竜だってそうだったしね」
「人間以前に栄えていた彼等も」
「何十億いても」
それでもというのだ。
「殻だけをね」
「傷付ける存在ですか」
「そうでしかないから、安心していいよ」
「そうですか」
「それにね」
北斗はさらに言った。
「天の龍の人達も地の龍の人達も悪い人いないから」
「それは」
「星ちゃんもだよ」
にこりと笑って答えた。
「星ちゃんも悪い人じゃないよ」
「貴女を殺していますが」
「それでもだよ、あれは運命がね」
それがというのだ。
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