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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その十五

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「即刻派手に攻めるって」
「そんなイメージあるな」
「敵の意表を衝いて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「そこから一気に攻めてくる」
「それで勝つイメージがあるな」
「今回は違うんですね」
「つまりあれだろ」
 ここでだ、曹長は伍長に話した。
「今俺は敵の意表を衝いて、と言ったな」
「はい、それは」
「そうだな、それはな」
「今もですか」
「敵の思わぬ攻撃をするっていうとな」
 それはというのだ。
「本当にな」 
「こうしてですか」
「敵の思わぬな」
「嫌な攻撃をすることもですね」
 これもというのだ。
「やり方なんだよ」
「そうですね」
「ああ、それとな」
「それと?」
「これあれだろ」
 曹長は嫌そうな顔になってこうも言った。
「ゲリラ戦術だろ」
「ゲリラですか」
「あるだろ、これ」
「はい、地形とかを活かしてですよね」
「敵の思わぬところから攻撃してな」
 そうしてというのだ。
「一撃離脱でな」
「攻めるやり方がありますね」
「ああ、それがな」
「今ですか」
「ゲリラ戦術だよ」
 それだというのだ。
「言うならな」
「地の利を活かしていなくてもですか」
「ああ、こうしてな」
 まさにというのだ。
「敵が見えない様にな」
「活かしてですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「攻めるからな」
「今はゲリラ戦術ですか」
「それだよ、ただアッディーン大統領がゲリラ戦術とかな」
「それは、ですね」
「思わなかったな、そしてな」
「このこと自体がですか」
「意表を衝くってことか」
 こう伍長に言うのだった。
「本当にな」
「そうなりますか」
「ああ、だから今のもな」
「アッディーン大統領ならではのですか」
「やり方か、意表を衝くってのはな」
 それはというのだ。
「何も奇襲、急襲だけじゃないな」
「そういうことですね」
「言うならな」
 ゲリラ戦術、それもというのだ。
「用は人の思わない攻め方をするってことだからな」
「こうしてですね」
「攻めてきているんだよ」
「そういうことですか」
「それで今俺達はな」
「追い詰められていますね」
「連合のゲームであったな」
 曹長はこうも言った。
「モグラ叩きな」
「あっちにはそんなゲームもあるんですか」
「ああ、モグラが出てな」
 勿論おもちゃのそれである。
「それをハンマーで叩いていくな」
「そんなゲームがあるんですね」
「それだよ」
 今のオムダーマン軍が仕掛けているものはというのだ。
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