第七十一話 陸軍と海軍その十四
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「デモする暇あったら」
「平日のお昼からね」
「沖縄の基地の前にずっといたり」
「それよりもよね」
「働けばいいのよね」
「そうよ、働いて」
部員達に続いてだ、留奈は自分のコップに酒を入れてから話した。
「ボランティアすればいいのよ」
「そうそう」
「デモも必要と思うけれど」
「それよりもね」
「働くか実際に誰か助けることしないとね」
「自衛隊の人達はしてるわよ」
彼等が罵倒し忌み嫌う人達はというのだ。
「いつもね」
「働いてね」
「何かあれば災害派遣」
「それで助けに来てくれるから」
「ずっと立派よ」
「日本軍だって関東大震災で助けてくれたわ」
そしてデマに煽動された暴徒から朝鮮半島出身者を警察と共に守りもしている。公権力が偏見や暴力を止めたのだ。
「何か被災者の人達真っ先に軍の隊舎に来たそうだしね」
「ああ、そうみたいね」
「あの地震の時も」
「ちゃんとね」
「そうしたのよね」
「そのことを見たら」
それこそというのだ。
「日本軍だってね」
「あんな人達より立派よね」
「それも遥かに」
「そうよね」
「そうとしか思えないわ」
まさにというのだ。
「だから明日行くのもね」
「楽しみよね」
「これまでに行ったことあるけれど」
「それでもね」
「いいものは何度も見たいからね」
留奈は自分で入れた酒を飲みながら話した。
「心に感じるから」
「ええ、あんな人達の言うことは何も感じないけれど」
「それで何も聞く気になれないけれど」
「それでもね」
「自衛隊の人達は違って」
「日本軍もね」
「自分のことしか考えない人達より」
今批判している彼等の様にというのだ。
「いざとなればね」
「自分が盾になってでも戦う」
「そうした人達の方がずっと立派よ」
「どう考えてもね」
「自分を犠牲にする人達の方が立派よ」
「全く以てね」
留奈は心から思って言った、だがここでだ。
彼女は言葉を止めた、皆それでも飲み続ける彼女を見て言った。
「ああ、黙りモードね」
「それに入ったわね」
「留奈ちゃん飲むと時々こうなるのよね」
「喋らなくなるのよね」
「お酒入るとそうなる人いるわよね」
ハンガリーから来た娘は赤ら顔で大笑いして言った。
「時々ね」
「そうよね」
「泣き上戸とか笑い上戸とか」
「絡み上戸もあって」
「留奈ちゃんは普段そのままだけれど」
「飲んでもね」
「飲み過ぎたら時々こうなる時あるのよね」
部員達もその留奈を見つつ話した。
「まあ意識はあるからね」
「適度なところで終わるしね」
「このまま飲ませてあげましょう」
「いや、言葉が出なくなったから」
その留奈も言ってきた。
「もうこれでね」
「後は飲む
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