第七章
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「その向こうに戦場があります。そしてそこで」
「最初の戦いということか」
「そうです。それでは」
「わかった。じゃあ行かせてもらうよ」
北岡がそれに応えた。
「そのかわり報酬はな」
「はい。それはもう」
青年はそれも約束してきた。にこりと微笑んで言う。
「既に用意していますので」
すると青年の手にアタッシュケースが出て来た。その中には目も眩むばかりの札束の山があった。北岡はそれを見て満足げに笑うのであった。
「わかってるねえ。じゃあ吾郎ちゃん」
由良に顔を向けて言う。
「これ、銀行の俺の口座に入れておいて」
「わかりました」
「じゃあ今からちょっと行って来るから」
「御気をつけて、先生」
「じゃあ俺も」
佐野も携帯を出してきた。ライダーの姿のまま携帯を出すのはかなり異様な姿ではあった。しかし見れば高見沢もそうしていた。
それで連絡を入れる。どうやら会社にであった。
「ああ、俺」
「私だ」
それぞれの言葉で話をしている。
「ちょっと用ができたから。その間頼むわ」
「暫く留守にする。その間は任せる」
そう言い伝える。そのうえでそれぞれの携帯を切った。
「これでいいから」
「窓の向こう側だな」
「そうです。それでは御気をつけて」
「うん」
三人のライダーは窓の中に入って行く。そのまま戦場へ向かうのであった。
街のゲームセンター。そこに少し小柄な若者がいた。彼は格闘ゲームに熱中していた。
彼の名は芝浦淳。大学生であり親は会社社長だ。大企業の御曹司ということだ。彼は今趣味のゲームに熱中していた。
そこに誰かがやって来た。背の高いすらりとした身体の女であった。
「今日もそれなのね」
「ああ」
芝浦は彼女に応えた。
「最近はな。こればっかりさ」
「相当はまってるのね」
「まあな」
その言葉に頷く。
「御前だってそうなんだろう?霧島」
「ええ」
その女霧島美穂は彼の言葉に頷いてきた。
「否定はしないわ。その通りだから」
「そうか」
「そうよ。それでね」
そのうえで話を続ける。
「あたしもそのゲームやっていいかしら」
「対戦か」
「どう?」
「ええ、別にいいぜ」
芝浦はそれを受けてきた。不敵な笑みを浮かべて。
「ただ、容赦はしないぜ」
「いいわ、こっちもそのつもりだから」
「よし。ところでな」
「何?」
霧島は向こう側のゲーム機の席に座った。その彼女に芝浦はまた声をかけたのであった。
「御前の姉さんかなり元気になったみたいだな」
「まあね」
霧島は芝浦のその言葉に頷いた。
「色々大変だったけれどね」
「何よりだな。けれど金かなりかかるだろう」
「そうね。父さんも母さんも苦労してるわ」
「御前もバイトしてるしな」
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