ステラニウムの輝き
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はぁ・・・暇だねぇ・・・」
周囲を見回しながらその場に座っている俺は隣にいるウェンディに話しかける。今は昨日のような襲撃に対応できるようにと交代で見張りをしているのだが、特に怪しい匂いもないため気が抜けてしまう。
「ダメだよシリル。ちゃんと見張ってないと」
一方ウェンディは気合い十分な様子で目がバッシバシに冴えている。いつも彼女は真面目なため、こんな時でも真剣にやってくれるんだろうなぁ、と思いながらも眠たくてアクビをしてしまう。
「シリル」
「だって何も起きないんだもん」
その様子に少女はお怒りの様子だったので言い訳をしながら真顔になる。ただ内心は眠たくて仕方がない。それによく考えれば昨日は俺たちの手元に杖があったから相手は襲撃してきたけど、それが今相手の手中にあるのなら迂闊に動いては来ないんじゃないだろうか。だって明日儀式をするって話だったし、その準備も必要だろう。
「あ、見てウェンディ」
「どうしたの?」
不意に空を見上げた俺はあることに気が付いてウェンディの肩を叩く。いまだ不機嫌な彼女だけど、言われるがままに空を見上げた彼女は視界に入った景色を見て表情を緩めていた。
「キレイ・・・」
「これがステラの星空か」
星の光を吸収して輝きを増すステラニウムを特産物としているステラ王国。ここでは星空がキレイなことでも有名と聞いていた。昨日は曇りで見れなかったそれがちょうど木々の間から見えており、俺とウェンディはその美しさに見惚れていた。
「この星空があればステラニウムがなくなっても案外大丈夫だったりして」
「それいいかも!!観光地として発展させれば経済効果も高いもんね!!」
結果として見れば俺たちのこの心配は無用の長物だった。しかしその星空の綺麗さは俺たちの心の中に強く残るものだったのは言うまでもない。
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