第十一話 地夢その四
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「紛れもなく」
「そうですね、では」
「彼とですか」
「決着をつけます」
こう言うのだった。
「その時が来ていますので」
「そうされますか」
「終わりますね」
星史郎は優しく微笑んで話した。
「全てが」
「貴方はまさか」
「夢の中では嘘は吐けないですね」
「はい」
「ですが言わないことは出来ますね」
「それはそうですが」
「心の中は隠せないですね」
牙暁にこうも言った。
「そうですね」
「はい、そうでもあります」
「しかし僕は捻くれていますから」
「隠せずとも」
「心をその部屋の中に閉じ込めますので」
それでというのだ。
「出しません」
「そうですか」
「僕は恥ずかしがり屋でもあるので」
「お心については」
「そうしています、ですが最後の時がです」
「近付いていますか」
「そうです、そしてです」
星史郎はさらに言った。
「僕はまだです」
「地の龍のところにはですか」
「行かないで好きにです」
「動かれますか」
「そして桜塚護の方も」
こちらもというのだ。
「閉店としますので」
「そのこともですか」
「行います、もっとも桜塚護と言っても」
陰陽道を使う暗殺者集団となっている、実際に暗殺を行う者と情報提供等の協力者達から構成されているという。
「その実はです」
「貴方一人ですね」
「はい、前もです」
「お母上だけでしたか」
「そうでした。もっともその母をです」
「貴方はですね」
「殺していますがね」
仮面を被って述べた。
「僕は最初に人を殺しました」
「その時に」
「父もいますが父は陰陽道とは関係なく」
それでというのだ。
「実は母が陰陽師になってからです」
「桜塚護、先代のですね」
「母が事故死に見せかけたので」
「お父上はですか」
「母がその時に死んだとばかり思い」
「ずっとですか」
「今もいます、僕は表向きは父と暮らしていました」
「そうして獣医になられたのですね」
「ええ、ですが密かに母から陰陽道を習い」
生きていた彼女からというのだ。
「そして全て教わった時に」
「そうでしたか」
「何とも思いませんでした」
師でもある母を殺した時にというのだ。
「その時は」
「そうですか」
「そこから聞かれないですか」
「そうします」
「そうですか、しかしです」
「それでもですね」
「僕はそれから桜塚護としても生きて」
そうしてというのだ。
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