奇襲
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「シリル!!無事だったのか!!」
俺の姿を見て険しい表情が一転して笑顔に変わる。ただ血まみれな顔が災いしてそれが悪い奴に見えるから不思議だ。
「すぐに治療します!!」
「いい!!それよりも手伝ってくれ!!」
「手伝うって・・・何を?」
彼の治療をしようと駆け寄ったが制止されてしまう。何をやろうとしているのかと思って聞いてみると、彼は空を指さす。そこにいたのは先ほど俺が撃墜したものと同じ巨大な鳥がたくさん飛んでいた。
「あれってもしかして・・・」
「たぶんルーシィたちが捕まってる」
恐らく一つに一人が捕まっているのだろうとは想像できる。たぶんウェンディも捕まっているだろうからすぐにでも助けたいんだけど、問題はどうやってあそこまで行くかだよね。
「どうします?セシリーたちもいませんし・・・」
「大丈夫だ!!俺に任せとけ!!」
そう言った彼は俺を引き寄せると抱き抱えてくる。よりにもよってお姫様抱っこで。
「ちょっ!?ナツさん!?」
「しっかり捕まってろよ」
抱かれ方に恥ずかしさを感じていたところで彼の足元に魔力が溜まっていくのが伝わり、嫌な予感がしてしがみつく。まさかと思っているとその予想通り彼は自身の炎をブースター代わりにして空へと飛び上がった。
「ひいいいい!!」
「シリル!!お前はそっちから!!」
鳥と同じ高さまで飛び上がったところで彼に投げられるようにターゲットのうちの一羽に飛び乗る。あまりの出来事に心臓のバクバク音が止まない俺はその動悸を抑えるのに必死に深呼吸する。
「し・・・死ぬかと思った・・・」
不可能を可能にしてくるナツさんの発想力には度肝を抜かれる。ただもう少し周りのことも気にしてほしいと思いながら俺は巨大な鳥さんが持っている箱を壊していくのだった。
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