奇襲
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「うぅ・・・」
ゆっくりと目を開いた俺は周囲を見回す。しかし周りには誰もおらず、ただ暗い空間に閉じ込められていることだけがわかる。
「ん?」
炎一つのみの光しかない中、あることに気が付いた。今俺は鎖で身体の自由を奪われているということ。それと、この空間が何やら動いているということ。
「え!?うわ!?」
急に地面が反転したことで頭を壁に打ち付けてしまう。というか座っているところと壁の材質が同じせいでどこが壁なのか全くわからない。
ドォンッ
揺れるだけではなく何か嫌な音まで聞こえてくる。そんな中天井部分だと思われるところが崩れたかと思うと、想定外の景色がこの目に飛び込んできた。
「うわあああ!?飛んでる!?」
見えてきたのは外の景色。しかもただの景色ではなく明らかに動いているのだ。そしてその理由は俺が入っている場所を巨大な鳥が持って空を羽ばたいているから。
「いやいやいやいや!?何々!?」
訳がわからず困惑するしかない。しかしそこで俺は思い出した。俺たちが杖を奪われ気を失わされたことを。
「つまりこれはこの国での牢獄ってことか?」
牢獄というかもはや処刑のような気もするけどそこは今重要じゃない。とにかくここから逃げ出さないと。
「魔法は使える・・・なら・・・」
左腕から悪魔の印を練り上げる。ここが上空であることを考えるなら風を使ってうまく着地した方がいい。滅悪魔法とドラゴンフォースを同時に使うとウェンディに怒られちゃうから、ここは滅悪魔法だけ解放して着地まで持ち込む。
「よし!!行くぞ!!」
鎖を引き裂きそのまま檻を破壊すると、その勢いのまま巨大な鳥に飛び乗る。
「ごめんね鳥さん」
たぶんこの鳥は悪くはないんだろうけど、だからといってこのまま飛んでいてもらうとあとで襲われそうなので気絶してもらおう。そう思い水と風を纏わせた拳を振り上げ、その脳天を撃ち抜く。
「おわああああああ!!」
そして当然のごとく飛ぶ力を失った鳥は急降下し始める。それはもうすごい速度で。
「あ、これヤバイ?」
とりあえずしがみつくしかないため振り落とされないように身体を寄せる。そのまま鳥さんは森の中へと飛び込んでいった。
「た・・・助かった・・・」
鳥さんにうまく乗っかれたことによりケガもなく無事に着地することができた。しかしこれからどうしたものだろうか、そんなことを考えていると知っている匂いがしてくる。
「あれ?この匂い・・・」
それに気が付いた俺はすぐにそちらへと走っていくとそこには血まみれになっているナツさんがいた。
「ナツさん!?どうしたんですか!?その傷!?」
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