奇襲
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ですけど・・・」
バレずに帰れればそれが一番よかったんだけど、今回はそれが叶わなかった。言い訳になっちゃうけど相手はあの杖を相当重要視していたらしいから、いざという時のために策を講じていたのだろう。
「それにしても・・・こんな杖がすごい魔力を秘めてるなんてね」
「見せて見せて!!」
杖を手に取ったルーシィさんが不思議そうにそれを眺める。その様子がよっぽど気になったのか、ハッピーはそれを受け取るとブンブンと振り回している。
「全然魔力を感じないんだよね」
「遊ばないの」
「ハッピーじゃ壊しそうだもんね〜」
見た目は歪な杖だけど、それ以外は普通の杖にしか見えない。というか俺たちは全然魔力を感じないんだけど・・・
「でもさっきナツさんは・・・」
「あ?あぁ・・・」
保管庫の中にいた時彼だけはこれの魔力に気が付いていた。しかしその時も俺たちはそれに気付けていなかったため、違和感を覚えて彼へと視線を向ける。
それを受けた彼もそのことを思い出したのか、何やら押し黙ってしまったけどその様子が不自然に感じたグレイさんたちは不思議そうな顔をしている。
「だぁ!!ダメだ、わっかんねぇ」
俺たちに説明しようと色々考えていたみたいだけど、彼はどう説明しようか思い付かなかったらしく頭を抱えながらその場に倒れ込む。彼のその様子を見てエルザさんはこれ以上の追及はしないことに決めたようだ。
「いずれにしても、国をも滅ぼす杖とは物騒な話だ。取り扱いには注意せねば」
その彼女の発言に慌てているのはハッピー。彼はその杖を使って地面に魚の絵を描いており、慌ててそれを隠していた。
「うっ!!」
「グレイさん?」
「どうしました?」
突然身体を震わせ顔面蒼白になるグレイさん。氷の魔導士である彼のその姿は珍しいため、俺とウェンディは思わず問いかけた。
「ちょっと寒気が・・・」
「珍しいね〜」
「氷の魔導士のくせに」
「服を着ねぇからだ」
「うおっ!?いつの間に!?」
さっきの逃走の時に着ていた服を全て脱ぎ捨てていた彼はパンツ一枚になっている。いつものことだから突っ込まなかったけど、彼はそれに気が付いていたいなかったようだ。
「ここはフィオーレに比べて標高が高い。気温も少し低いのだろう」
「そういえば空気もおいしいです」
「ごめんさっきおならしちゃった」
木々の多さもあるのだろうけどここはフィオーレに比べてより"自然"を感じることができる。ただ・・・グレイさんの悪寒は何か違うものが原因の気がするけど・・・言わないでおくか。
「ステラ王国って星々の国って言われるほど星が綺麗で有名なのよね」
「そうらしいですよね」
「へぇ・・・」
さっき船でもこの話が出てたけど、そう
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