奇襲
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「ナツさん?」
「どうしたんですか?」
「あ?何が?」
なぜ彼が涙を流しているのか意味がわからずにいる俺とウェンディ。しかし、肝心の彼はそのことに気が付いていないのか、驚いている俺たちをキョトンとした顔で見ている。
しかしなぜそうなっているかを問いかけるまでに、杖があったと思われる場所から魔法陣が現れると、周囲に聞こえるような大きな警報が鳴り響く。
「何これ!?」
「罠〜!?」
「違う!!これは・・・」
「杖が取られたら作動する魔法陣です!!」
中に入れないようにするだけでなくもし盗まれても大丈夫なように対策をしていたってことか。こうなると俺たちが取れる行動は一つしかない。
「くそ!!逃げるぞ!!」
「「はい!!」」
この警報で兵隊たちが集まってくる前に逃げるしかない。俺たちは大急ぎで保管庫から出ると、すでにそこには兵隊たちが集まり始めていた。
「敵を発見!!」
「城の宝物庫に賊が侵入!!」
「総員戦闘態勢!!」
捕まる前にセシリーたちの助けを借りて上空へと飛び立つ。しかし兵隊たちはそんな俺たちに向かって魔導機関砲を放ってきた。
「うわぁ!!」
「きゃあ!!」
「うおっ!?」
俺たちを打ち落とそうと次々に銃弾を放ってくる。それを何とか回避してはいるものの、打ち落とされるのは時間の問題だ。
「まずいよ〜!!」
「空はダメ!!地上に・・・」
慌てて地上へと降りて逃げる方向へと切り替える。街の中の路地を使えばうまく逃げ切れるかと思っていたけど、そう簡単な話ではないようだ。
「いたぞ!!」
「あそこだ!!」
「待てぇ!!」
地上にも既に兵隊たちが待機していたらしくすぐに俺たちを追いかけてくる。でも人数は少ないし、全力で走れば逃げれるかな?
「メンドクセェ!!全員ぶっ飛ばしてやる!!」
「それはダメです!!」
「兵士さんたちは悪い人たちじゃないんですから!!」
あくまで彼らはこの国の護衛隊。ザッシュに従わされている可能性を考えると迂闊に手を出していい相手とは言えない。しかしその考えは甘かった。
ピュンッ
「キャッ!!」
ウェンディの腕をカスっていく矢。それを受けた彼女の腕からは血が流れ出てくる。
「このっ・・・」
それを見た俺は怒りで振り返る。相手は次の攻撃の準備をしているようで、既に矢を構えこちらを狙っていた。
「ナツさん!!ウェンディと杖を頼みます!!」
「加勢するぞ?」
「大丈夫です!!」
口に魔力を溜めてこちらへと向かってくる兵士たちに狙いを定める。彼らは俺が脚を止めたことで狙いを俺一人に絞っているようだ。
「水竜の咆哮!!」
「「「うわああああああ!!」」」
彼らを飲み込む
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