第七十一話 陸軍と海軍その三
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「自衛官にはなりたいわよね」
「そうそう」
「ああした人達になりたいわね」
「きりっとしてて清潔でね」
「立派で紳士で」
「誰かの為に働く」
「それも命を賭けてってね」
「こんな恰好いい人達いないわよ」
留奈はカレイの刺身を食べてから言った、今日の刺身はこれだった。
「やっぱり人気あって当然よね」
「そうそう」
「どう考えてもね」
「運動家なんて絶対なりたくないけれど」
「自衛官にはなりたいわ」
「それか警官ね」
留奈はこの職業の人達の話もした。
「恰好いいのは」
「そうよね」
「やたらキャリアがどうとか言う人いるけれど」
「特権階級とか」
「あの人達はそもそも国家公務員でね」
「官僚だからね」
「警官は警官でもそうした人達で」
試験に合格したうえで採用されただ。
「特別扱いは駄目でも」
「そうした人達ってことでね」
「悪役じゃないからね」
「そもそもね」
「何かね」
留奈は今度はどうかという顔で友人達に話した。
「キャリア官僚は何もしなくていいとか本読んでたらいいとか書いてた小説家いたけれど」
「そんな筈ないでしょ」
「いつも書類に埋もれてるわよ」
「官僚ってそうでしょ」
「自衛官だって幹部の人達はそうらしいし」
他国の軍隊で士官と呼ばれる立場の人達はというのだ。
「官僚になるとね」
「朝から晩までお仕事でしょ」
「そんな筈ないわよ」
「その小説家絶対世の中知らないわよ」
「それで公安はいやらしいビデオ観てるだけとかね」
今ならDVDになるだろうか。
「言っていたのよ」
「それも違うしね」
「私達だって知ってるわよ」
「その作家さん世の中について無知過ぎでしょ」
「よくそれで小説書けるわね」
「どんな酷いもの書いてるんだか」
「何か昔は大ヒットばかり出していて」
留奈はその小説家自体の話もした。
「ずっと書かなくて最近色々な作品終わらせていってるけれど」
「ああ、ずっと書いてないとね」
「何でもやってないと腕鈍るしね」
「それに年齢と共に衰えるし」
「それじゃあね」
「そう、もうね」
まさにとだ、留奈も答えた。
「才能枯れてるらしいわ」
「まあそうでしょうね」
「というか最初からそんなの書いてたらね」
「この人大丈夫かってなるしね」
「それで書いてないとね」
「余計に才能なくなるわよね」
「腕が鈍ってね」
「そうなんでしょうね、やっぱり」
留奈も部活仲間達の言葉に頷いた。
「高校生でわかってることがわかってないって」
「問題外よね」
「どんな勉強してきたのよ」
「普通ないでしょ」
「流石にね」
「頭の中が沖縄の基地の前の人達と同じじゃない?」
誰かが飲みながらこう言った。
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