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第七十一話 陸軍と海軍その一

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                第七十一話  陸軍と海軍
 その夜留奈は同じ部の仲間達と共に風呂から出て夕食の場で飲んで食べつつ話をした、いつも通りの縁かいとなって大騒ぎになっている。
 そこで日本酒を飲みつつだ、留奈は同級生の部員達に言った。
「明日海軍の資料館よね」
「そうそう、海自さんの施設のね」
「あそこにいくのよね」
「海自さんの学校にあるね」
「あそこ元々海軍さんの学校だったしね」
 留奈は同級生達と話した。
「それで海上自衛隊になっても」
「日本が戦争に負けて」
「軍隊解体されて」
「自衛隊が出来て」
「海軍さんの伝統を海自さんが受け継いだのよね」
「元々軍隊の人達が入っていたし」
 陸軍海軍の将兵達がだ、警察予備隊が組織され自衛隊になったがそこにかつてのそうした人達が多く入ったのである。
「それでよね」
「そうそう、これがね」
「陸自さんも空自さんもで」
「海自さんもなのよね」
「元陸軍や海軍の人多かったのよね」
「それで海自さんにも海軍の人が多くて」
 それでというのだ。
「伝統もね」
「受け継がれたのよね」
「陸自さんは違うみたいだけれど」
「結構アメリカナイズドされてるっぽいけれど」
「あちらはね」
「空自さんは陸軍さんと海軍さんいたのよ」
 この組織の特徴である、普通航空戦力を擁する軍事組織は陸軍航空隊が独立したものだが航空自衛隊は帝国陸海軍が共に強力な航空戦力を擁していたのでどちらも入ったのだ。
「今は違ってもね」
「最初はね」
「そうだったのよね」
「それで海自さんはそうで」
「海軍さんの伝統受け継いでるのよね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「海軍さんの資料館もあって」
「私達も観られるのよね」
「そうなのよね」
「明日ね、しかしね」
 留奈は飲みつつこうも言った。
「私あそこ行くといつも泣くわ」
「それ私もよ」
「私だってそうよ」
「男子だって皆泣いてるでしょ」
「他の国から来た娘達もね」
 仲間達もそれはと答えた。
「泣かずにいられないわよ」
「特攻隊の話とか」
「もう悲しくて奇麗で」
「ここまでしてくれたのかって」
「日本の為にね」
「そうよね、何度観ても泣くわね」
 留奈はしんみりとしつつ述べた。
「あそこは」
「そうよね」
「まさに命を賭けて日本の為に戦った」
「そんな人達のことを知ったら」
「泣かずにいられないわ」
「戦争なんてないに越したことないけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「あそこに行くとね」
「本当に泣くわよね」
「泣かずにいられないわよ」
「もうね」
「そのことは覚悟しないとね、それにね」
 留奈はこうも言った。
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