暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
3.5章
3.5−2:襲い掛かるファラオの呪い
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逃げていってしまった。
「あッ! 逃げるデスよッ!!」
「逃がすか!」
〈コネクト、プリーズ〉
颯人がコネクトの魔法で空間を繋げて手を伸ばすが、珠は彼の手をするりと回避して飛んでいってしまう。透も逃がす物かとカリヴァイオリンを投擲するが、小ささを活かした回避で光の珠は逃げていてしまった。
何だか分からないが、このまま逃がしたらロクな事にならなさそうだと言う事は分かる。颯人達は慌てて光の珠を追いかけた。
逃げていく光の珠の先にあったのは、黄金で出来た年代物の仮面の様な物。ちょっとでも知識のある物が見れば、それがツタンカーメンの仮面である事にすぐ気付いただろう。
逃げた光の珠はその仮面に吸い込まれて消えてしまった。
「光があれに吸い込まれたデスよッ!?」
「あれ、ツタンカーメンの――くッ!?」
光が仮面に吸い込まれた次の瞬間、調の顔色が悪くなりふら付き始めた。傍にいた切歌がどうしたのかと彼女を支える。
「ど、どうしたデスか、調ッ!?」
「なんだか、急に、力が……」
切歌に心配される中、調はそのまま意識を失い倒れてしまった。するとそれに続く様に切歌も体の不調を訴え倒れてしまう。
「うう……ア、アタシも、デス……」
「お、おいおい、切歌ちゃん調ちゃん!? どうした急にッ!? こんな時にLiNKERの副作用か……?」
最初颯人はLiNKERの薬効が切れたか副作用かと疑ったが、次に不調を訴えたのはクリスであった。急激に体から力が抜け、意識が薄れていく彼女を透が支える。
「ッ!?」
「なんだよ……これ……ッ。力が、何かに、吸収されて……くッ……」
「黄金の……仮面……?」
次々と装者が倒れて行き、遂には奏までもが脚から力が抜け崩れ落ちそうになる。それを颯人が支えようとすると、奏は苦しそうに顔を歪めながら顔に脂汗を浮かべ虚ろになった目で颯人を見上げた。
「やば……くそ……ッ。はや、と……」
「奏ッ!?」
意識せず、奏は颯人の腕を力無く掴んでいた。颯人が奏の意識を繋ぎ止めようと彼女の手を掴むが、彼の願い空しく奏も響達と同じように意識を失ってしまった。
これで装者は全滅。残るは魔法使いの2人のみ。颯人は奏達の身を案じながら、何故自分と透は何の異変も起こらないのかと考えを巡らせていた。
するとツタンカーメンの仮面から黒い靄が噴き出し、再び顔の無いスフィンクスが姿を現した。
自分達を見下ろすスフィンクスを前に、颯人は小さく鼻を鳴らしてこう呟いた。
「ツタンカーメン……ファラオの呪い、か」
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