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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
異伝〜知られざる鉄血の意志〜
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いるメンフィル・クロスベル連合についた事で激動の時代を生き抜く可能性が高まったからだ。



予定よりも早く”黒キ星杯”を顕現させ、”黄昏”を起こしたが、痛快にもその出来事が息子(リィン)を成長させ、そして重き宿命から解き放つ糧になる切っ掛けとなったようだ。ルーファスを討った事はその”創まり”に過ぎず、リィンが受け継いだ”呪い”の根源たる私の心臓は異世界の女神と”契約”を交わした事で”呪い”が浄化された事で”黒”の影響から完全に解き放たれた事、本拠地を含めた”地精”の全ての拠点の破壊、ルーレとオルディスの占領、ノルティア州奪還軍の撃退、そして――――――”ハーケン平原”の”大戦”にてかつての我が上官であるヴァンダイク元帥の討伐――――――いくつもの想定外(イレギュラー)が重なったとはいえまさか息子(リィン)によって、帝国が追い詰められ、そして破滅させられようとしている事には信じられない思いではあったが、同時に息子の成長の速さに誇らしい思いをさせてもらった。そして何よりも、息子を重き宿命から解放してくれた異世界の女神もそうだがZ組を離れ、帝国を破滅させる道を選んだ息子について行き、今も息子を支え続けているテオの娘達や息子を支え続けている仲間達、息子との”絆”を決して諦めないZ組には心から感謝している。唯一の懸念は私の最後の舞台を己の最後の舞台でもあると見出した(リーヴェルト)の娘をリィンがどういう結末にするかだが、内戦で己の大切な妹を拐かした”黒兎”を許し、仲間として受け入れた事から戦時でありながらも他を重んじる優しさを決して忘れていないリィンならば、(リーヴェルト)の娘にとっても決して悪い結末にはしないと信じさせてもらうとしよう。



3月1日――――遂に私の最後の舞台の時が来た。内戦とこの戦争で大きく成長したリィンは今や私に刃を届かせんとしている。いくつもの想定外(イレギュラー)に恵まれたとはいえ、まさかここまで成長するとは。仲間と共にあった事が大きいようだが、それだけではあるまい。何が息子をここまでの境地に至らしめたか……父親として側で見守れたのならと思わなくもない。………全く、私らしくもない……このような局面において心を乱すとは、未だ修行が足りぬという事だろう。………息子が受け継いだ私の心臓の呪いが浄化された事で、息子が私を超えたとしても、息子が呪いを一手に引き受けるような事にはならない。もはや思い残す事は何もない――――――私を超えようとする息子を全力で受け止め、そして討たれる事こそ父親として最初で最後の務めだろう。私に望む資格等ないだろうが、もしも私のような者の祈りを女神が聞き届ける事があるならば。どうか―――リィンの未来が幸あらんことを。



「……………………」

手記を書き終えたオズボーン宰相はある写
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