異伝〜知られざる鉄血の意志〜
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に煉獄へ落ちるのみだろう。
”リベールの異変”において皇子殿下の活躍が報じられて間もなく――――――リベール王国の”アルセイユ”に乗り華々しく凱旋した様子が、どの紙面をも彩っていた。皇子殿下がリベールを発たれる直前、”ご挨拶”を申し上げるために参上したが……やはり、オリヴァルト皇子殿下は私の予想を裏切る稀有な存在のようだ。さしずめ、帝国の眠れる獅子が目を覚ましたとでも言うべきか――――――私が世を”闘争”で塗り潰そうとする中、彼は”第二の道”を追い求めようとしている。”黄昏”に至る為の障害でしかないというのに、久方ぶりに胸が躍る思いをさせてもらった。――――――諍うつもりならば、せいぜいただでは喰われてくれるな。クロスベルを巻き込んだ”闘争”への下準備は整いつつある――――――彼の動向に期待させてもらうとしよう。
クロスベルの”闘争”の”創まり”であるヨアヒム・ギュンターによるかの”D∴G教団”事件にて、”百日戦役”以来の想定外が起こった。それは――――――”六銃士”がクロスベルで本格的に台頭をした事だ。世界各地を回って時には外道な猟兵団を滅ぼし、時には民を救うまさに”現代の義賊”のような活躍をしていた彼らの動向も気にはなっていたが、まさかクロスベルで本格的に台頭するとはこの私すらも想定していなかった。しかもメンフィル帝国の手配によって警察と警備隊の上層部に就任した事から察するに、間違いなくメンフィル帝国とは何らかの関係があるのだろう。メンフィル帝国に続く”黒の書”にも記されていない想定外がメンフィル帝国同様”黒”ごと私を滅ぼす想定外になる事を期待させてもらおう。
トールズ士官学院性が実習で帝都を訪れると知らせを受けた。特科クラスZ組――――――そこには懐かしい顔もあった。テオやクレア達から話は聞いていたが…………母親に似て、他を重んじる優しさを備えているようだ。多くの課題も抱えているようだが、健やかに成長したのは何よりと言えよう。…………しかし、やはりというべきか”呪い”の影響を色濃く受けているようだ。呪いの根源たる”黒”の――――――私の心臓を受け継いだのだ。その影響は計り知れないだろう。………重い宿命を背負わせたこと……カーシャは女神の下で何を思うか……ともあれ、今の時点で己を制御できないのであれば、来る激動の時代を生き抜けはしまい。”黄昏”の時は近い―――今は成長に期待しよう。
8月31日――――――”西ゼムリア通商会議”にて”百日戦役”以来の想定外が起こった。”六銃士”が”西ゼムリア通商会議”での私とロックスミスの謀を想定した上、対策どころか反撃まで行った事だ。まさ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ