第九十二話 合宿を終えてその四
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速水は微笑んでだ、咲にこう尋ねてきた。
「合宿はどうでしたか?」
「部活に勉強に遊びにと」
「充実していましたか」
「それで楽しかったです」
咲は微笑んで答えた。
「そうでした」
「それは何よりですね」
「どんなものかって思ったら」
「楽しいものでしたか」
「私にとっては」
「それは何よりです、合宿もです」
「その人それぞれですね」
速水の言わんとしていることを察して答えた。
「いい合宿の人もいれば」
「その逆もあります」
「やっぱりそうですね」
「ですが小山さんの合宿が素晴らしいものなら」
「それならですか」
「それに越したことはありません」
速水は微笑んだまま答えた。
「まさに」
「そうですか」
「充実したよい合宿ならです」
それならというのだ。
「小山さんの人生の糧の一部にです」
「なりますか」
「そうかと。その合宿での経験をです」
「今後の人生にですか」
「役立てて下さい、経験の一つ一つがです」
それがというのだ。
「人生の糧になります」
「そうなんですね」
「はい、多くの経験を積めば」
「それだけですね」
「糧を得たことになります」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「今回の合宿のことを忘れないで下さい」
「そうします」
「何でも経験することです」
速水は咲にこうも話した。
「それがです」
「人生の糧になりますね」
「中には辛い経験苦しい経験もありますが」
「そうした経験もですか」
「人生の糧になります、その時は死にたくなるまでに辛いものでも」
そうした経験でもというのだ。
「後で、です」
「人生の糧になりますね」
「嫌な物事や人と出会っても」
「それもですか」
「経験になりますので」
だからだというのだ。
「ですから」
「いいんですか」
「そうです、人生はです」
「嫌な経験もですね」
「糧になります」
「そうなんですね」
「ですからその時は嫌に思っても」
それでもというのだ。
「糧になるものです」
「悪いことばかりじゃないですか」
「辛い経験、苦しい経験を多く積んだ人は」
そうした人はというと。
「人間的な成長もです」
「出来るんですね」
「苦労人という言葉がありますね」
速水は咲に優しい目で話した。
「世の中には」
「苦労を重ねてきて」
咲もその苦労人という言葉を聞いて言った。
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