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博士の挑戦状
第二十七話

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              第二十七話  悪人を何人殺しても
 博士はその辺りのチンピラを生体実験の犠牲にしてその骸を焼却処分にしてから小田切君に対して言った。
「ではトランプでもするか」
「人一人殺しましたよね」
「それがどうかしたか」 
 何でもないといった返事だった。
「生体実験をしてもな」
「その辺りのチンピラだからですか」
「どうということはないであろう」
 全くという返事だった。
「別にな」
「博士にとってはそうですね」
「そうじゃ」
 こう返すのだった。
「その辺りの生きていても価値もないな」
「屑を捕まえてですね」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「わしの趣味に貢献してもらった」
「それだけのことですね」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「むしろ喜ぶべきことじゃ」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「生体実験をした相手にはな」
「名前も知らなくてもですね」
「どうということはない」
 全くというのだ。
「知る気もない」
「ですよね。博士は」
「それでじゃ」
「今からですね」
「ちょっとポーカーでもしてな」
 そしてというのだ。
「次はPCのゲームをするか」
「そちらを楽しまれますか」
「うむ」 
 そうするというのだ。
「今度はな」
「じゃあ死体を片付けましたし」 
 完全に消し去ってだ。
「それで、ですね」
「トランプをしようぞ」
「ううん、もうです」
「納得したか」
「博士はそうした神様ということで」
「神ではない、わしは管理者じゃ」
 それだと言ってだった。
 博士は小田切君そして生きもの達とトランプに興じた、生体実験で殺した者のことはどうでもよくなっていた。


第二十七話   完


                  2023・1・13
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