第四幕その四
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「正式な名であるがまず使われず呼ばれなかった」
「そうだったんですか」
「実はわしは織田という姓であるがな」
今度はこちらのお話をしました。
「これも本来の姓ではないのだ」
「名字が違うんですか」
「わしは平家の出であるから」
「源氏や平家の」
「左様、わしは本来の名で呼ぶと平信長となる」
「そうなんですか」
「だがおおむね織田三郎と呼ばれておった」
恵梨香達に笑顔でお話します。
「今は普通に織田信長と呼ばれておるがな」
「昔はそうだったんですね」
「江戸時代ではな」
「だからわしもな」
お猿さんみたいなお顔の小柄な人懐っこい感じの人も言ってきました。
「豊臣秀吉ではないぞ」
「あっ、貴方は」
「人はよく豊臣秀吉と呼んでくれるがな」
こう恵梨香に言うのでした。
「羽柴藤吉郎がな」
「戦国時代ではですか」
「普通に呼ばれた名前じゃ」
「そうでしたか」
「今はよいがな」
「昔はですね」
「そうした名前じゃ」
「慣れるのに時間がかかった」
大柄で濃い髭の人も言ってきました。
「柴田勝家と呼ばれるには」
「丹羽五郎左ではなくな」
少し小柄で穏やかそうな感じの人です。
「丹羽長秀と呼ばれて諱を使うかと」
「わしはずっと牛助と呼ばれていたのにのう」
大柄でしっかりとした感じの人です。
「信盛と呼ばれて何かと思ったわ」
「いや、外の世界では随分と変わった様で」
鋭い目で引き締まったお身体の人です。
「この滝川左近も驚いたことです」
「皆さん織田家の人達ですね」
「左様、わしは前田又左。利家という」
背が高くて瓢箪みたいなお顔の人が恵梨香に応えてきました。
「宜しくな」
「ははは、皆今ではここで暮らしておる」
信長さんが笑って言ってきました。
「織田家に仕えていた者はな」
「そうなんですね」
「さて、こうして来てもらったしのう」
信長さんはさらに言いました。
「茶を飲むか」
「お茶ですか」
「左様、茶会をしておってな」
今そうしていてというのです。
「これからな」
「私達もですか」
「飲むか、どうじゃ」
「ええ、お願いするわ」
オズマがにこりと笑って応えました。
「お茶会にね」
「ではな、わしが煎れよう」
信長さんはオズマに応えてでした。
家臣の人達と一緒に皆を天主閣の中に迎え入れました、天主閣の中は吹き抜けになっていてそうしてです。
天主閣の中は一階一階多くのお部屋があってです。
襖の一つ一つに神様や仏様それに天女が描かれていてです。
「キリスト教のものもあるわね」
「そうね」
「何となくわかるね」
「昔の日本の絵だけれど」
「天使だって」
「左様、あらゆる教えの絵を描かせた」
信長さんは案
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