暁 〜小説投稿サイト〜
新オズのカボチャ頭のジャック
第四幕その三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「その中に櫓があって家臣の人達のお屋敷もあるのよ」
「そういえばお屋敷もあるね」
「中には豊臣秀吉さんのお屋敷もあるわよ」
「あの人のものなんだ」
「あの人は元々信長さんの家臣だったから」
 だからだというのです。
「今は天下人でもないし」
「同じオズの国の人になったからなんだ」
「そうよ」 
 その為にというのです。
「だから織田家の家臣に戻って」
「それでだね」
「今ではね」
「この安土城にもお屋敷があるんだ」
「それでここにおられる時もあるのよ」
「羽柴殿は今はこちらに来られていますよ」
 足軽の人が答えてくれました。
「ご自身のお城から」
「そうなんだ」
「はい、奥方と一緒に」
「そうしているんだ」
「そして殿の茶会に出られています」
 そうしているというのです。
「そうされています」
「そうなんだね」
「ですから」  
 それでというのです。
「お会いになられますよ」
「じゃあ楽しみにしているよ」 
 ガンプも笑顔で頷いてでした。
 皆でお城の中を見回りながら足軽の人達に案内してもらいます、そしてお山の頂上にある天主閣の前に来ますと。
 足軽の人は笑顔で皆にお話しました。
「殿はここにおられます」
「あれっ、ここにおられるんだ」 
 ジャックは足軽の人の言葉に驚いて言いました。
「日本のお城の天守閣って」
「安土城では天主閣ね」 
 オズマが応えました。
「塔の様なものでね」
「人が暮らす場所じゃないよね」
「普通は御殿があってね」
「そこで暮らすね」
「けれどこのお城は違うの」
 安土城はとです、オズマはジャックに答えました。
「天主閣が御殿になっているの」
「そうなんだ」
「そして信長さんもよ」
「天主閣の中で暮らしているんだ」
「そうしているのよ」
「成程ね、だから今もなんだ」
「そうよ、天主閣の中でね」
 まさにこの中でというのです。
「茶会を開いているのよ」
「そうなんだね」
「では中に入りましょう」
「おお、オズマ姫ではないか」
 ここで、でした。
 高い男の人の声がしてです、天主閣の中から細面で切れ長の目できりっとしたお顔立ちの男の人が出て来ました。見れば髷を結っていてお髭は薄く袴姿です。 
 恵梨香はその人を見て皆に言いました。
「この人が信長さんよ」
「この人がなのね」
「あの織田信長さんなんだ」
「日本の歴史でも特に有名な」
「戦国時代の英雄だね」
「そうなんだね」
「如何にも。わしが織田三郎である」 
 ご自身から笑って答えました、その後ろには大勢の髷を結って袴を穿いた人達がいます。
「信長というのは諱であるが今ではそちらで呼ばれておるな」
「あの、諱っていいますと」
「昔はそちらの名前もあ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ