第五章
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「その通りです。やはり動いていましたか」
「おかしいとは思っていた」
総監はそう述べた。
「あの戦いもまた彼が仕組んでいたものだった」
「渋谷のあれもですね」
「そうだ、何もかもな」
総監はそう述べる。
「だからだ。俺達も動こう」
「はい」
結城は彼の言葉に頷く。
「他の皆に連絡はいっているか?」
「既に。全員日本に向かっています」
「そうか。ならいい」
彼はそれを聞いて満足そうに頷いた。それから窓に顔を向けた。
「では俺達もな」
「戦いに」
彼等も何かを決意していた。影が動こうとしていた。それに立ち向かう為に彼等はいる。その為の戦いがはじまろうとしていたのであった。
津上翔一は風祭真魚や美杉親子と共にレストランアギトを経営していた。津上の料理の腕は上手くそのうえウェイトレスの真魚の評判もよく商売は上々であった。
「いやあ、今日も忙しいねえ」
津上はランチタイムが過ぎ一服して店の奥で言っていた。その横にはメイドチックなウェイトレス姿の真魚がいる。なお津上は白いコックの服を着ている。意外と様になっている。
「おかげで休まる暇もないよ」
「そうなの」
「真魚ちゃんもだろ?」
彼は椅子に座っていた。真魚はその側に立っていた。
「ひっきりなしに動いてるじゃない」
「まあそれはそうだけれど」
彼女はそれに応えて述べてきた。
「けれど忙しいとは思わないわ」
「そうなの?」
「そうよ。だっていつもじゃない」
「慣れたってことか」
「私はね」
彼女はそうであるらしい。
「毎日だから」
「まあそうかな。けれど俺は」
「翔一君」
ここで真魚は少しきつい言葉を出してきた。
「駄目よ、怠けたら。このレストランは翔一君の料理の腕にかかってるんだから」
「それだけじゃないじゃない」
真魚を見て言葉を返す。
「真魚ちゃんだって評判いいよ。可愛いウェイトレスってことで」
「それでも料理が第一よ」
真魚は真面目であった。そう言われて悪い気はしなかったがそれでも言った。
「わかったわね」
「はいはい。おっ」
ここで店の鐘が鳴った。来客であった。
「お客さんだ」
「こんな時間に?」
「どんな時間だって来るさ・・・・・・んっ!?」
津上は立ち上がったところで急に違和感を感じた。それで店の方に顔を向ける。
「この感触は」
「ええ」
真魚もそれに応える。二人は今同じものを感じていたのである。
「彼!?」
「けれど彼は確か」
「とにかく行ってみましょう」
真魚は彼に対して言った。
「敵意とかは感じられないから」
「そうだね。じゃあ」
二人は店に出た。するとそこにいたのは。やはり彼であった。
「久し振りですね」
「どういうことなんだ!?」
津
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