第十話 固絆その十九
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「ならばな」
「それならですか」
「小鳥も護れる筈だ」
こう言うのだった。
「だからな」
「そうなる運命をですか」
「俺は選ぶ」
丁に告げた。
「そちらをな」
「それが貴方の考えですか」
「避けたかった」
これまでの自分の考えも話した。
「俺は、だからだ」
「避けておられましたね」
「そうだった、しかしな」
「避けられないとですね」
「おじさんのことでわかった」
彼が襲撃を受け深い傷を受けてというのだ。
「助かったからよかったが」
「運命では死ぬ筈が」
「それでもか」
「助かりました、ですが」
「運命はか」
「変わらない筈です」
「いや、おじさんを見てわかった」
神威は今度は強い確信と共に言った。
「俺は運命を避けられない、そしてだ」
「運命は変えられる」
「この二つのことをな、それならだ」
「彼女もですか」
「護れる筈だ」
絶対にというのだ。
「だからな」
「そうなる運命をですか」
「俺は選ぶ、それが地の龍ならな」
「貴方は地の龍になられますか」
「そうなる」
こう言うのだった。
「そうだとわかったならな」
「その時は」
「そうする」
「そうですか」
「それが俺の考えだ」
「わかりました、では」
丁は神威の言葉を受けてこう返した。
「わらわは貴方のご決断を待ちます」
「待ってくれるか」
「わらわにはそうするしかないので」
「待つしかか」
「夢、そして運命は見られますが」
それでもというのだ。
「動くことはです」
「出来ないか」
「ですから」
「待つ、いや」
神威は丁に己の言葉を訂正して言った。
「待っていてくれるか」
「そうさせて頂きます」
「わかった、ではそうしてくれ」
神威は丁を見据えて述べた。
「必ずだ」
「運命を選択されますね」
「そうする、必ずな」
「では」
「もう暫く考えさせてくれ」
「その様に。では」
「小鳥は絶対に護る、封真もな」
今もこう言ってだった。
神威は丁に目で別れの挨拶をしてから背を向けた、その後で天の龍の五人に静かな声でこう言った。
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