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第十話 固絆その十六

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「結界です、ただ貴方達はです」
「東京で戦うからか」
「外のことはです」
「気にしなくていいか」
「はい」
 神威にそうだと話した。
「そして都庁も結界の一つで」
「あれもか」
「不思議な建物ですね」
「形といい建てられた経緯といいな」
「あれは結界の一つなので」
 東京を護るそれだというのだ。
「あの様な形であり」
「建てるにあたってか」
「その真実を隠す為にです」
「揉めた話をか」
「あえて出したのです」
「演技だったか」
「全ては」
「妙なものを感じていたが」
 眉を曇らせてだ、神威は述べた。
「そうだったか」
「そして最も重要な結界は」 
 丁はさらに話した。
「東京タワーです」
「あれか」
「はい、東京タワーこそがです」 
 まさにというのだ。
「この東京を護る」
「最も重要な結界か」
「東京タワーが崩れますと」
 その時はというと。
「他の結界もです」
「崩れるか」
「他の結界は東京タワーさえあれば」
「保たれるか」
「壊されてもです」
 他の結界達がというのだ。
「保たれます、ですが」
「それでも東京タワーが崩されるとか」
「全ての結界は完全に壊され」
「東京の全ての結界が失われてか」
「東京は滅び」
「世界もだな」
「そうなります」
 神威に静かな声で話した。
「完全に」
「だから東京タワーはか」
「何としてもです」
「護らねばならないか」
「そうです、何とかです」
 東京タワーはというのだ。
「護らねばなりません、ですが他の結界が全て破壊され」
「その後でか」
「ようやく東京タワーにです」
「辿り着けるか」
「そうなのです」
「そうか、東京タワーまで至るにもか」
「長いです、ですが」
 それでもと言うのだった。
「今お話した通りです」
「東京タワーはだな」
「最後のそして最大の結界であるので」
「護らないといけないな」
「そうです、そのことをお願いします」
「俺が天の龍になればか」
「是非、それとなのですが」 
 丁は神威にあらためて言ってきた。
「貴方は間もなく剣を授かります」
「剣か」
 そう聞いてだ、神威はその目を険しくさせた。
 そのうえでだ、こう丁に言った。
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