第十話 固絆その十四
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「このことは間違いない」
「そうなったね」
「その最後の一人が誰か」
このことはというと。
「気になるが」
「調べていこうか」
「それか姫様にだ」
丁、彼女にというのだ。
「見てもらうか」
「夢でだね」
「そうしてもらおうか」
「そうね、やはり姫様の夢見の力は大きいわ」
嵐は神威のその言葉に頷いて応えた。
「それではね」
「頼らせてもらうか」
「頼りにしなくても」
「それでもか」
「姫様が夢を見られて」
神威にこう話した。
「そこでわかれば」
「教えてくれるか」
「何処の誰なのか」
「ではそれを待ってもいいか」
「そうも思えるわ、ただね」
ここで嵐はこうも言った。
「天の龍は若し貴方がなるのならあと一人」
「だからか」
「ええ、玳透さんも言ったけれど」
「そうなるからか」
「これまで順調に集まっているのは運命よ」
「戦いがはじまるのが近いからだな」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「最後の人が誰かわかるのも」
「近いか」
「そう思うわ」
「そやろな、ほんま戦いがはじまる時は近いわ」
空汰はやや上を見て述べた。
「そやからな」
「最後の人が誰かわかって」
「来てくれるのもな」
このこともというのだ、空汰はまた言った。肌で感じる空気には明らかに戦いを告げる気配が含まれていた。
「近いわ」
「そうね」
「だからな」
それでというのだ。
「ほんまにな」
「誰かわかれば」
「迎えに行こうな」
「ほなな」
こうした話をしてからだった。
一行は火煉を議事堂の丁のところに連れて行った、そうして彼女を丁に紹介すると丁は静かに言った。
「お待ちしていました」
「私が来ることは」
「わかっていました」
こう丁に答えた。
「夢で」
「そうなのね」
「はい、ではこれからは」
「ええ、天の龍の一人としてね」
「戦って頂けますね」
「最後までね、そしてね」
そのうえでとだ、火煉は答えた。
「人間を護るわ」
「そうしてくれますか」
「私も人間でね」
微笑んでの言葉だった。
「だからこそね」
「人間をですね」
「愛しているから」
だからだというのだ。
「必ずね」
「そうしてくれますか」
「誓うわ」
まさにと言うのだった。
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