メモリーデイズ
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俺が指さした方向に全速力で駆けていくエルザさん。それに俺たちは困惑したが、後をついていくように駆けていくと、こちらへ向かって歩いてきているグレイさんの姿を発見できた。
「グレイ!!もう逃がさんぞ!!」
「エルザ!?なんだそのゴハッ!!」
グレイさんの顔面目掛けて投じられた分厚い本。それは見事にクリンヒットし、彼は力なく地面に伏していた。
「全く・・・お前たちという奴は・・・」
「痛そう・・・」
「すごいね、エルザさん」
ブーメランのように彼女の手元に戻った本。恐らく大ダメージであろう彼を見て青くなっている俺とは正反対に、ウェンディは目をキラキラとさせていてちょっと引いてしまう。
「あれ?ナツは一緒じゃないの?」
「ナツならまだ土手にいるんじゃねぇのか?つうかお前らその服・・・」
「「/////」」
金髪のカツラを着けて変装しているグレイさんの指摘に赤らめる俺とウェンディ。そうだよ、変装って彼みたいな感じにするのが普通なんだよ、エルザさんの感性がおかしいだけなんだよ。
「まずいぞ、時間がない」
「どうしたっていうんだよ」
「走りながら話す、とにかく今はナツのところに早く向かわねば。このままでは私たちは、元の時代に帰れなくなる」
「「「えぇ!?」」」
まだ事情を聞いていなかった俺たちは?を浮かべることしかできないけど、そんなことを言われてしまってはとにかく彼女についていくしかない。すると、彼女が解読した本『メモリーデイズ』の効果と一緒に話された。
「この本はメモリーデイズといって、本を開いた時、一番思い出そうとしている時間へと飛んでしまうのだ」
「あの時ナツは首の傷のことを思い出そうとしていたでしょ?」
「ここがその傷?がついた時代ということですか?」
倉庫の整理の際に俺たちはいなかったため詳しくはわからないけど、ナツさんの首もとには傷がついていてそれをつけた相手の話を聞こうとしたら彼がひどく恐怖したらしい。ちょうどそのタイミングで俺たちが来て、ルーシィさんが脚立から落ちてしまったらしい。
「恐らくな。だから私たちはナツの思い出の時間に飛ばされてしまったというわけだ」
「それと帰れなくなるっていうのは、どういう関係があるっていうんだよ」
「本来この魔法は思い出した本人・・・つまりナツ一人だけをその時代へ飛ばしてしまうものなのだ。しかし、その時本人に触れていたものにもその力は及んでしまうらしい」
「この本の効果は6時間しかないの。6時間したら自動的に思い出は終了」
「ナツだけが、元の時代へと強制的に戻される」
「「「んな!?」」」
いつの間にかルーシィさんが本の内容を把握していたことは置いておいて、そんなことを言われてしまってはもう焦るしかない。
「ちょ
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