メモリーデイズ
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わけがない。
「待ちなさ〜い!!」
「待ってぇ!!」
女子供の脚力ではとても追い付けない、むしろ離されているような感覚まである。そんな時に俺はある名案が思い付いた。
「ルーシィさん!!手を貸して!!」
「え!?」
「いいから早く!!」
思い付いたが吉日、この中で一番受け身がうまそうなルーシィさんの手を取る。
「ウェンディ!!俺にアームズして!!」
「なんで?」
「いいから!!」
「わ!!わかった!!シリルにアームズを付加!!」
彼女の魔法により攻撃力・・・というか恐らく身体能力が上がったと思われるタイミングでルーシィさんの両手を握り、身体を回転させながら遠心力で彼女を馬車の方へと投じる。
「え・・・ちょ・・・きゃああああああ!!」
悲鳴とともに宙を舞うルーシィさん。彼女は狙い通りに馬車の真上に落ちてくれたことにより、ホッと一安心。
「シリル、さすがにあれは危ないと思うよ」
「でもああでもしなきゃ追い付けなかったじゃん」
さすがに力が入ったことで息が上がっている俺にウェンディが声をかける。その頃ちょうど前方ではルーシィさんが馬の手綱を外したところらしく、馬車は少しずつ減速していた。
「とりあえず、追いかけよっか」
「そ・・・そうだね」
まだ呼吸が荒いけど、これ以上の騒ぎを起こすのは良くないとルーシィさんを迎えに行く。その時後ろから馬車のお客さんと思われる人の名前を叫びながら追いかけてくる人たちがいたけど、俺たちはそこまで意識が向いていなかったため、その名前を聞き取ることはできなかった。
「ルーシィさん!!」
「シリル!!ウェンディ!!ここから離れよう!!」
俺たちが追い付いたのとほぼ同じタイミングでルーシィさんが止まっていた馬車から飛び降りる。俺たちの後ろの人たちの声が彼女にも聞こえていたことから、すぐにでも離れないとと察してくれたらしい。
「そういえば、ナツとグレイ見つかった?」
「いえ」
「どこにいったんでしょうか」
走りながら探していた二人の話しになるが、案の定ルーシィさんも見つけられなかったらしい。仕方がないので一度エルザさんの元へと戻ろうとしたところ、鬼の形相になっている彼女を見つけた。
「ルーシィ!!シリル!!ウェンディ!!」
「どうしたの?そんなに慌てて」
「どうしたもこうしたもない!!まずいことになった!!」
どうやら彼女は怒っていたわけじゃなくて焦りからそんな顔になっていたらしい。事情を聞こうとしたところ、今度は確実に嗅いだことのある匂いを発見した。
「あっちの方からグレイさんの匂いがします!!」
「何?急がなければ!!」
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