メモリーデイズ
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シリルside
「あれ?ナツさんどこにいるのかな?」
「こっちの方にはいないみたいだよ」
遡ること約9年前、これは俺たちが妖精の尻尾に加入したばかりの頃のお話。ウェンディと俺はギルドの入り口で拾ったものを抱えながらナツさんを探すためにギルドをうろうろと歩いている。
「ナツなら、エルザたちと倉庫の片付けをしてるわよ」
困っている俺たちに声をかけてくれたのはミラさん。カウンターから身を乗り出した彼女からそう言われ、俺は持っていたマフラーを見せながら理由を話す。
「これ、ギルドの入り口に落ちてたので・・・」
「ナツさん困ってるかなって」
「珍しいわね、こんな大切なマフラーを落としちゃうなんて」
このマフラーはナツさんの親であるイグニールからもらったものだから大切にしてるって話だったのに、ギルドの前に無造作に置いてあったから気になってしまったんだよね。
「よほどボーッとしてたんじゃない?」
「それも含めて珍しいよね〜」
心ないシャルルの辛口コメントに対しセシリーがそれを宥めるようにそう言う。それを聞いてミラさんは楽しそうに笑っていた。
「じゃあ倉庫まで行こっか」
「そうだね」
早めに渡してあげた方がいいと思い倉庫へと駆けていく俺たち。そう言えばナツさんたち、街の建物をいつものノリで壊したから今日はその罰って言ってたっけ?仕方ないから俺たちも手伝った方がいいかな?
そうこうしているうちに倉庫へと着いた俺たちは静かに扉を開く。そこには散乱している本を片付けているナツさんたちがいた。ただ、ナツさんは具合が悪いのかしゃがみこんでいたけど。
「あのぉ・・・」
「ナツさん、これ・・・」
とりあえずそのまま中に入っていくと俺たちに皆さん気付いていないようでナツさんの方を見ている。そのせいだろうか、脚立に登って作業していたルーシィさんがそれごと倒れそうになってしまった。
「ルーシィ危ない!!」
「きゃあああああ!!」
「「ルーシィさん!!」」
近くにいたナツさんたちと同様に俺とウェンディもマフラーを投げ捨てて彼女を助けるために飛び込む。全員が同様の考えの元に飛び込んだおかげか、ルーシィさんは地面に落下することなく無事に救出することができた。俺たちは全員座布団みたいに重なっちゃってるけど。
「ナツ!?大丈夫!?」
「ウェンディ!?」
「シリル〜!!」
反応が遅れたエクシードトリオは慌ててそれぞれの相棒の容態を確認しようと寄ってくる。それに答えようとした時、棚から一冊の本が地面に落ちた衝撃で開かれると、目映いばかりの輝きを放つではないか。
「なんだ!?」
「本が・・・」
「光出した!?」
目をくらますほどの光に飲み込まれた俺たち
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