第一章
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仮面ライダーアギト 新しい誇り
どれだけ彷徨っていただろう。長い間眠っていたような気がする。
彼は無限の闇の中にいた。そこでは意識も何もない。
眠っているのだがその感触さえなくなろうとしていた。その中で彼は漂い何時までそうしているのかすらわからなかった。
だがそれが突如として終わった。光が目の中に入る。すると目の前にはあの青年がいた。彼等は今光の中で互いに向かい合っていたのである。
「目覚められましたね」
「貴方か」
彼はその青年に対して声をかけた。
「どうしてここに」
「いえ、貴方が戻って来たのですよ」
「俺が」
「はい」
青年は答えた。
「もう一度運命に立ち向かう為に」
「運命にだと?」
その男木野薫はこの言葉を受けて目の色を不吉なものに変えさせてしまった。
彼はかつてはアギトの力を持っていた。あかつき号事件の中にもおりその生き残りメンバーのリーダー的存在でもあった。唯一のアギトになろうとして他のアギトの力を持つ者達とも戦ったことがある。しかし最後は人として津上翔一を救い自身はアンノウンとの傷によりこの世を去っていたのだ。その彼が今青年により復活させられたのである。
「私はかつて一人の神を知っていました」
青年は彼に対して言ってきた。
「神と」
「それは傲慢なる神、全てを支配せんとする神でした」
「その神が動こうとしているのか」
「いえ」
木野の言葉には首を静かに横に振った。
「牢獄に囚われています。しかし」
「出ようとしているのか」
「彼は常にそれを試みてきました。しかしそれは適わず」
幽閉され続けてきたというのだ。青年は今それを木野に話しているのだ。
何の為にか。それが最大の謎である。だがそれは今青年が自身の口から言った。支配する為だと。
「私は人を愛します。そしてアギトも受け入れようと思っています」
青年は今度はこう述べてきた。
「しかし彼は違うのです。彼は支配しようとする」
「そうなのか」
「だからこそ貴方の運命があるのです」
「その神と戦う為にか」
「その通りです」
青年はこくりと頷いた。
「まずはもう一つの貴方達との戦いに」
「俺達の」
「そうです」
青年は言う。
「かつて銀の時代がありました」
「銀の時代!?ギリシア神話のか」
木野はその時代のことは聞いたことがある。ギリシア神話においては金、銀、銅、そして鉄の時代に分けられている。今は鉄の時代とされている。青年は今その中の一つの時代を出してきたのだ。
それは何の為か。木野はそれを考えた。青年もまたそれを察している。だからこそ次の言葉が出て来たのであった。
「そうです。アギトは白衣の青年が創ったものですが」
「もう一
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