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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
どうあってかあたしは、追われている
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あたしは身体を貸した。

だがこのままでいいのか?
問題を投げてしまっていいのか?
あたしの問題を、菫に解決させてもらっていいのか?

いや、否だ。
自分の問題は、自分で解決する。
少なくともあたしの中に勝手に居座ってるこいつに解決させていいものじゃない。
だから、

【なんとか言ったら?交代してくださいとか】
「黙ってろ!!こいつはあたしだけで、なんとかする!!」

菫を黙らせ、あたしは走る。

「何をブツブツと…!死ねやぁぁぁぁぁッ!!」

向かってくるあたしに以蔵は刀を振り下ろす。
しかしここで避けることはせず

「ッ!!」
「な、なんじゃとぉっ!!」

真正面から突っ込む。
両手をクロスさせ刀を受け止めた。

「こいつ…!」
「知らないの?根元なら大したことないんだよ。」

刀とは、あらゆるものを切り裂く最凶の刃物だ。
業物であれば、また使い手が達人級であればなんだって両断できる。
しかし、それは振り切ったときの話。

振り始め、さらに刀の根元には大した威力がない。
切っ先ではなく根元を止めれば、その威力は殺せる。

「…っ」

足元にパタ…パタと血が落ちる。
受け止めた両手は少しだけ斬れている。
まぁ、威力を殺せるとは言っても無傷でという訳にはいかない。

でもまぁいい。
これなら反撃できる。

「ッ!!」

防御態勢を解き、やつの上着を掴む。

「うりゃあッ!!」

そのまま背負い投げ。
背中を思い切り叩きつけられた以蔵は肺の中の空気を強引に吐き出されのたうつ。
しかし、それで終わりだなんて思うな。

「あたしだって…やれる!香子から何も貰ってなくったって…!!」

倒れた以蔵に追い打ちをかける。
地を蹴り跳んで、片足を思い切りあげ、振り下ろす。
全体重を乗せたかかと落としをやつの鳩尾にくらわせた。

「ごぉ…っ!?」

まさか人間ごときにここまでやられるなんて思わなかったんだろう。
ありえない
そうとでも言いたげな顔をしながら以蔵は吐血する。

「…どうだ。」

すぐさま立ち上がり、様子を伺うも、以蔵は動こうとしない。
傍に落とした刀を遠くの方に蹴飛ばし、あたしはまた走る。

だが、

「…?」

パン、という破裂音。
同時にかくんと足がもつれる。

走ろうとしているのに進まない。
何事かと思い下を見ると…

「…。」

太腿から流れる血。
そうして気づくと同時に走る激痛。

「あっ…が…!?」

焼けるような痛みがあたしを襲い、歩みを止めさせた。

これは…銃?
以蔵は銃を使えるか?
そう思い振り向くと

「マ、マスター…」
「油断したな。敵はサー
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