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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
どうあってかあたしは、追われている
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だ以蔵は頭を抱えながら起き上がり、ぐらついた視界で見失ったあたしを探す。
今のうちに逃げよう。
相手はサーヴァント、その場の対処は出来たとしても、
人間
(
あたし
)
に倒すことは到底不可能な存在だ。
サーヴァントにはサーヴァント。
死ぬ気で走って、図書館まで逃げ切り、香子を頼る。
単純な事柄を頭の中で数回繰り返し、そして奴に背を向けて駆け出した。
「香子!聞こえる!?」
走りながら通信機能付きのイヤリングにそう尋ねると、返事は直ぐに返ってきた。
「葵様…?このような連絡手段を用いるとは…まさか何かあったのですか!?」
「うんあった。現在進行形で追われてる!!」
「!?」
見なくとも香子の慌てているであろう様子が安易に想像できる。
「岡田以蔵!財団の命令であたしを殺しに来たって言ってた!」
「岡田以蔵!?あの…四大人斬りの…!?」
彼の存在は香子も知っている。
それから通信機越しにバタバタと言う音。
どうやらかなり慌ててるらしい。
「とりあえずあたしは逃げ切って図書館まで戻る。だから迎えに来…」
「ちぇりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!!」
その時だった。
突然横から張り裂けんばかりの雄叫びと共に以蔵が飛び出してくる。
「!!」
全力で振り下ろされる刀。
スレスレであたしは避け、後方に転がるも無傷では済まなかった。
つぅ、と頬を液体が伝わる感触。
指ですくうとやはり血。
さらに、
「…やられた。」
偶然か、通信機のイヤリングが斬られ、真っ二つになって地面に落ちていた。
これで香子と通信することは出来なくなった。
迎えに来て欲しい。
そう言おうとしたがそこで通信を途絶えさせられた。
彼女には伝わっただろうか?
ともかくあたしは、逃げなければならない。
「逃がさんぞ…。わしらにはもう後が無いき。」
「ふーん。なんか悩み抱えてる感じ?」
ゆっくりと立ち上がり、目の前の以蔵に全神経を集中させる。
サーヴァントは、疾い。
今の不意打ちもたまたま運良く避け切れただけのまぐれだ。
そうしてどう逃げるか考えていると…
【変わりなよ。】
「っ!」
目の前に泰山解説祭の表示。
これは、菫のものだ。
【サーヴァントはお前じゃ対処出来ない。ボクに変われ。】
「…。」
申し訳ないけど、
変われない。
【何片意地になってんのさ。早く変わりなよ。】
「無理!!」
確かに意地になっていた。
それはあたし自身が抱えてる劣等感みたいなのがあったからかもしれない。
こいつに頼り続けて、いいのか?
そんな疑問が浮かぶようになった。
少し前の蘆屋道満関係では、化け物じみた奴に対抗するため
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