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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
どうあってかあたしは、追われている
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ゃ。」

瞬間、気の流れに異変を察知。
咄嗟に身をひねり、バク転でその場から回避。
視線を和服の男に向けると、そこには刀を抜き、振り切った姿勢のままこちらを睨むやつの姿が。

「ちっ…。」
「何?アンタ。」

舌打ちし、男は刀を構え直す。
対するあたしはいつでも動けるように身構え、どこからどう来られてもいいように気を張り巡らせる。

攻撃がいつ来るかは気の流れでだいたい把握出来る。
さっきの不意打ちもギリギリ感知できた。
ともかく美鈴先生から教わった気の流れの感じ方に救われたな…。

「冥土の土産に教えちゃる。わしは財団お抱えの傭兵、岡田以蔵。かの有名な『人斬り以蔵』とはわしのことじゃ。」

岡田以蔵。
無論、本で読んだことがある。
幕末の四大人斬り。
しかも、財団お抱えの傭兵?
ということは

「上からおまんを殺しさあばんとを盗ってこいと直々に命令が下ってのう…これも仕事じゃ。恨みは無いが、わしとマスターの為に死ねや。」
「…!!」

直々の命令。
どうやらあたしが財団の邪魔をしていることは、財団のお偉いさんでも看過できないことになってるらしい
脳をフル回転させ、今できること、生き残れる精一杯の作戦を搾り出す。
そうしてあたしは

「ああ知ってる。岡田以蔵さんね。本で読んだことあるよ。超有名人。」
「…褒めても見逃しゃせんぞ…。」
「なんだっけな?あーアレだ!ポン刀振り回してイキリ散らかしてた癖に、ほんのちょっと拷問されてすぐ自白したヘタレ。じゃなかったっけ?」

あたしはわざと、彼をそう煽った。


「んの…!そがなん言うて、後悔させちゃるわァァッ!!」

想定通り。
彼は一気に怒り出し、こちらに向かって襲いかかってきた。

サーヴァントの岡田以蔵は、プライドは高いことは知っていた。
なのでこうして過去の栄光に傷をつけるなり、恥ずかしい過去をおちょくってやれば簡単に怒る。
怒れば、攻撃は単純になる。

「…!」

単純とはいえサーヴァントなのだから攻撃は強力だ。
けど単純になればなるほど、避けやすくなる。

「自分で言うのもなんだけどあたしは我慢強い方なんだ。アンタなんかと違ってさ!」

振り下ろされる刀。
確かにそれは疾いが、避けられない攻撃じゃない。

「ちょろちょろと…!!」

そうしてかわされ続け、彼自身の苛立ちもどんどんピークへと達していく。
隙が生まれたその瞬間に

「っらぁ!!」

渾身のハイキックを、やつの側頭部に叩き込む。
気の流れを全て足に集中させて威力を倍増させた。
厚い鉄板すら余裕で貫くことも出来るその蹴りは、以蔵を大きく吹き飛ばしてみせた。

「……。」

息を整え、身構える。
吹っ飛ん
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