第二部 1978年
影の政府
奪還作戦 その6
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油精製施設に火がつくと、さしも広い市街地も、まもなく油鍋に火が落ちたような地獄となってしまった。
「この木原マサキ、逃げも隠れもせん。何処からでもかかって来い」
コンビナートから出る、炎は夜天に乱れ、爆音は鳴りやまず、濛々の煙は異臭をおびてきた。
マサキの駆る天のゼオライマーは、推進装置を全開にし、高度を一気に上げた。
ベイルート上空に出ると、市街を俯瞰しながら、次の手を考えた。
レーダーを見れば、西方の地中海の方面から接近する艦隊が確認できる。
また、北のシリア方面からも同様に艦艇数隻が南下中である。
レバノンから西方100キロほどに位置するキプロス沖にいるのは、米海軍第六艦隊。
南下中の部隊は、シリア・タルタスに海軍基地を持つソ連軍艦隊であろう。
ふとその時、マサキの心に邪悪な思惑が浮かぶ。
米ソ両国の大艦隊の目の前で、レバノンを消し飛ばす。
前代未聞の規模を誇る花火ショウをおこなって、天のゼオライマーの威力を全世界に見せつける。
それも悪くはない。
「ハハハハハ、この、天のゼオライマーの力さえあれば、この世は思いのままに支配できる」
彼は一人、コックピットの中でほくそ笑むのだった。
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