第八十三部第四章 戦線崩壊その二
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それでだ、彼は言うのだった。
「ここでそれを使わずともだ」
「勝てますね」
「左様ですね」
「我々はですね」
「勝てますね」
「敵は警戒してだ」
そのうえでというのだ。
「動きも視線もな」
「そちらに向いていますね」
「彼等は意識せずとも」
「そして動きは強張っていますね」
「どうにも」
「そうした相手は衝ける」
動きや視線に隙が出来てしまっている、そこに集中していないだけに。アッディーンはさらに言うのだった。
「楽ではないにしても」
「それでもですね」
「我々はですね」
「それが可能ですね」
「だが」
ここでだ、アッディーンはこうも言った。
「使っていく」
「そうされますね」
「既に動かしていますし」
「そうしますね」
「ここで敵にその攻撃をだ」
それをというのだ。
「あえて見せてだ」
「そしてですね」
「散々にですね」
「打ち破り」
「そのうえで、ですね」
「敵にさらに印象付ける」
そうするというのだ。
「あの兵器のことをな、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「一体」
「何かありますか」
「それはシャイターン主席が戻る間だ」
それまでのことだというのだ。
「彼が戻って来ればな」
「その時はですね」
「無理がありますね」
「それは」
「その時はですね」
「どうしても」
「あの兵器を使ってもだ」
それでもというのだ。
「シャイターン主席ならだ」
「見破られますか」
「あの方には」
「そうなってしまいますか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「あの人は」
「左様ですね」
「シャイターン主席ならですね」
「あの兵器も見破る」
「そうなるので」
「だからですね」
「今使うことだ」
その兵器をというのだ。
「そしてだ」
「ティムール軍に徹底した打撃を与え」
「そうしてですね」
「今の防衛ラインも突破し」
「その戦力も」
「ここで出来る限り奪う、そしてだ」
そのうえでとだ、アッディーンはさらに話した。
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