第七十話 平和だろその十二
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「そうしたことを勉強するのよ」
「戦争のことをですね」
「軍隊のこともね」
「そうなんですね」
「別に悪いものじゃないから」
先輩は留奈にこう断わった。
「留奈ちゃんもそれは聞いてるでしょ」
「はい、中学の時も行きましたし」
留奈はそれでと答えた。
「知ってますし」
「恰好いいことは恰好いいしね」
「色々勉強にもなりますね」
「海自さんも見られるしね」
「今は海自さんの学校の中にありますしね」
「幹部候補生学校のね」
海上自衛隊幹部候補生学校である、かつて海軍兵学校だった場所にそのままあり伝統も引き継いでいるのである。
「そこによ」
「ありますね」
「知ってるなら早いわ、行ってね」
「見るんですね、あそこに行くと」
留奈は悲しい顔になって話した。
「回天とか神風特攻隊とか」
「そうしたものの資料もあるしね」
「考えさせられますね」
「そうでしょ、そうしたこともね」
「勉強することですね」
「やっぱり大事よ」
「戦争のことを知ることも、いや戦争はです」
留奈は考える顔になって言った。
「ないのが一番ですよね」
「何と言ってもね」
先輩もそれはと応えた。
「起こっていいこと何もないわよ」
「さっきお話しましたけれど」
ケニアから来た娘とそうしたことを思い出しつつ答えた。
「本当にそうですね」
「けれど戦争のことを知ることもね」
「大事ですね」
「どんなものかね」
「起こって欲しくないと思いながら」
「そうよ、それに留奈ちゃん自衛隊嫌いでもないでしょ」
「むしろ好きですね」
留奈は正直に答えた。
「自衛隊は」
「災害が起こったら助けてくれるしね」
「そうですよね」
「警察と自衛隊はね」
この二つの組織はというのだ。
「国民を守ってくれるね」
「有り難い組織ですね」
「若しもよ」
先輩は留奈に強い声で話した。
「警察と自衛隊がなかったら」
「大変なことになりますね」
「誰が私達を守ってくれるのよ」
「そうなりますね」
「自警団とか問題外よ」
「イタリアの話有名ですよね」
自警団と聞いてだ、留奈は顔を曇らせて答えた。
「中二の時今農業科にいるシチリアから来た子に言われたんですが」
「ああ、シチリアはね」
先輩もこの島のことを聞いて言った。
「まさにね」
「本場ですよね」
「マフィアのね、マフィアは自警団からよ」
「なってますね」
「密輸組織とか山賊とかがね」
そうした者達がというのだ。
「なっていて」
「自警団もですよね」
「なっていったからね」
「自警団はよくないですね」
「法律のコントロール受けてないから」
その為にというのだ。
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