第二章
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そのもう一人の戦士五代雄介は日本から遠く離れた異郷の地で一人草原に寝転がっていた。そこで一人うとうとと眠りについていたのである。
「君が五代雄介君ね」
そこにふと声をかける者がいた。明るい女の声であった。
「日本語?」
「そうよ。いいかしら」
その言葉を受けて閉じかけていた目を開ける。するとそこには小柄で青いやけに目立つ服を着たショートカットのアジア系の女が立っていた。
「君は?」
「実は貴女に用があって来たの」
「俺に」
「ええ」
彼女はにこりと笑って答えてきた。無邪気な様子を装っているがそれが芝居であるのはその隙のない動きでわかる。五代はグロンギとの死闘でそれを察するまでになっていたのである。
「会いたい人がいて」
「君じゃないのかい?」
「ええ。この人」
後ろを指差すともうそこに一人の青年が立っていた。漆黒の服に身を包み女と見間違うばかりの美貌をその顔にたたえていた。
「はじめまして」
彼は五代が起き上がるよりも先に声をかけてきた。そのうえでにこりと笑ってきた。
「五代雄介さんですね」
「ええ」
五代は起き上がりながらそれに応えてきた。構えは取らないが無意識のうちに彼を見て警戒していた。
彼からは何か得体の知れないものを感じていた。そしてその隣にいる女からも。それは彼がン=ダグバ=ゼバとの戦いにおいて感じたものと同じであった。人を超越した存在の醸し出す圧倒的な存在感と力を感じさせていたのである。
「実は貴方にお渡ししたいものがありまして」
「それは何ですか?」
「以前貴方が使っていたものです」
彼は五代を見たまま述べてきた。その目も全く動いてはいなかった。じっと五代を見ている。
「俺が。まさか」
「はい、その通りです」
青年は答えてきた。
「おわかりですね」
「しかし俺は」
五代は顔を背けてきた。
「グロンギを倒した。もうこれ以上は」
「それはわかっています」
青年は言ってきた。
「ですからこそ」
「なら何故」
「五代雄介、いえクウガよ」
青年は今彼をクウガと呼んだ。
「貴方はかつてそのグロンギと戦われました。人々を守る為に」
「はい」
その言葉には応える。
「そしてまた。人々を守る為に貴方の力が必要なのです」
「またグロンギが」
「いえ」
青年はその言葉には首を横に振った。そうではないというのだ。
「グロンギは確かに滅びました。ン=ダグバ=ゼバもまた」
「なら何故」
ン=ダグバ=ゼバとの死闘は今でも覚えている。その中でアマダムを破壊されている。彼はもうクウガにはなれない筈なのである。
「グロンギだけではないって考えたらいいんじゃ
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